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2014 6.22

■ SPD(サージ保護機器)の設置に際してNFPA79-2015版にて具体的な設置方法が追加改訂されました。

IEC/EN60204-1でも規定されていますが、米国でもNEC 230、285章に準じ、雷や開閉器の開閉等によるサージ電圧に対して保護する場合はULカテゴリに従ってUL認定されたTYPE 1, TYPE 2、TYPE 3及びTYPE 4のSPDを適切な場所に設置することが要求されましたのでご留意下さい。

2014.6.6

■ NFPA79の2012年度版が改訂されNFPA79-2015版として発行されました。

去る、5月19日NFPA79-2012版が改訂され米国規格ANSI/NFPA79-2015版として発行されました。この2015版の規格適用は各州によって異なりますが、順次に各州にてNFPA70に従い適用されることになりますので、ご留意ください。

この改訂に伴いまして、来る8月29日(金)にNFPA79-2015版の解説セミナーを開催致しますので、この機会に是非ご参加下さい。なお、参加を希望される方はここをクリックして募集案内書をご覧下さい。

以上

2014.5.1

■ NFPA79による観音扉の制御盤ドアと主電源開閉器とのインターロックの要求等について(再確認)

NFPA79-2012版の5.3.1.4項には制御盤に電源供給される各主電源開閉器または主ブレーカとエンクロージャ・ドアとの間にドア(扉)・インターロックをとることが要求されています。すなわち、扉インターロックとは主電源開閉器(ブレーカ)の外部操作ハンドルをOFF位置にして電源遮断しないと扉を開くことができない構造にすることです。これは制御盤の観音扉や列盤の複数扉についても同様ですが、その場合にどのような点に注意してエンクロージャ設計をすべきか質問がありましたので再確認いたします。

最初に扉インターロック機構を要求している制御盤については6.2.3項により使用電圧が50Vac, 60Vdc以上であり、それらは機械的または電気的、あるいは両方の方法でインターロックすること等が求められています。これらは感電防止が目的であって、制御盤の扉を開ける場合は必ず主電源がOFFになっていることが求められています。

すなわち、扉インターロック機構は主電源開閉器(ブレーカ)をOFFにして、供給電源を遮断することでエンクロージャの扉を開けることができるということです。これは観音扉や列盤のように複数の扉がある場合に於いても適用されます。


この点について以下のような質問が多々ありましたので、再確認いたします。

「観音扉の場合、機械的な扉インターロック機能を有する主ブレーカの外部操作ハンドルが付いている扉側は主ブレーカと扉との間で扉インターロックをとることが可能ですが、この外部操作ハンドルをOFF位置にして主ブレーカを遮断した後、一旦、両側の扉が開かれ、両扉が開かれた状態で、再度、外部操作ハンドルの付いている扉のみが閉められた場合、主ブレーカのON操作が可能となり、反対側の片扉が開放の状態で制御盤が運転可能となる危険がある」との指摘があり、その対応法の質問がました。

対応としては、安全原則は観音扉においても同様であり、主電源開閉器の外部操作ハンドルが扉の左前あるいは右前に付いていようと扉が開放されたときは必ず主電源が遮断されていることを求めています。

従って、この指摘については6.2.3項に従い電気的あるいは機械的インターロックで対応することになりますが、電気的インターロックについては各扉にドア・リミットスイッチを設けることで対応し、何れの扉が開放されたときでも主電源開閉器(ブレーカ)が遮断する電気回路を構成することになります。


なお、主電源ブレーカの遮断方法については不足電圧トリップユニットをそのブレーカに追加することで観音扉の開放をドア・リミットスイッチにて検知して電気的インターロックにて対応することができます。また、シャント・トリップユニットによる遮断でも対応が可能ですがリスク回避の観点から電圧印加による主ブレーカ遮断よりも、無(離落)電圧による主ブレーカの遮断が推奨されます。

扉の機械的インターロックについてはエンクロージャ・メーカーでも復数扉に対応するドアインターロック部材が供給されていますので、ご確認ください。

 
関連した質問として、主電源開閉器(ブレーカ)の外部操作ハンドルの色についても質問がありましたが、それはリスクアセスメントに従う非常停止回路の有無によって異なります。主電源開閉器が非常停止を兼ねる場合は赤/黄色ハンドルの色識別が求められ、非常停止を兼ねないときは黒色ハンドルとなります。

 
北米向けについては扉インターロック構造の外部操作ハンドルはインターロック解除機構が要求されていることと、扉が開放されている状態の主電源開閉器(ブレーカ)は外部操作ハンドルに加えて内部操作ハンドルの装備が要求されており、容易にON-OFF操作できることと、ブレーカ本体がOFF位置でロック施錠できる構造であることを求めていますのでご留意ください。

以上


2014.3.24

■ 省スペースに効果がある(絶縁フレキシブル銅バー)の使用について

以前、ドイツの制御機器メーカーで設計エンジニアとして勤務していたとき、それまで国内で見たことも無かった絶縁電線を使用することになりました。最近は国内でも大電流の制御盤にも時々使用しているのを見かけるようになりましたのでこの絶縁電線について情報提供いたします。欧米では数十年前から使用され実績のある便利な電線ですが是非とも国内の電気設計エンジニアの皆様に知って頂きたいと思います。

この絶縁電線の特徴として、某メーカーではInsulated flexible busbar: 絶縁フレキシ銅ブルブスバーと呼んでおり、この導体は0.8mmから1mm厚さの軟銅板を電流値に応じて重ねており、外被は絶縁材で覆っています。帯の形状(帯電線とも呼ばれる)でありながらも、あらゆる方向へ直角90度等の曲げ加工が容易のために通常の太い電線に比べて省スペースの効果があります。過去に頻繁に使用した経験のある者として、是非とも知っていただきたい盤用部材の一つです。

この帯電線の使用箇所としては特に400A-1600Aの銅ブスバーを配置している動力制御盤に最適で、多数の100A-200A以上の分岐回路で使用され、省スペース化が要求される制御盤には特に効果を発揮します。この帯電線は欧州向( IEC/EN60439-1)や北米向けの規格にも適合しており、北米ではAWG絶縁電線規格の適合ではなく、NFPA70の600V以下で使用されるUL508Aに適合した、UL67,UL891の工場組立品の盤用部材としての規格に適合することが求められます。ただし、北米向けに国内製の絶縁フレキシブル銅バーを使用する場合にはUL カテゴリ番号CCNがQEUY2盤用部材であって、UL67,UL891の規格に適合していることが条件となりますので注意してください。

ドイツ(woehner社)より直接購入可能

http://pim.woehner.de/online/cms/EN/US/catalog/Accessories/flexible_copper_busbars/flexible_copper_busbars_plain

 
帯電線の国内での購入を希望の場合はEATON(ムーラー電機)から情報を入手してください。

http://www.jpn-moeller.co.jp/Copper_bar/copper_bar.html

追記 

来る4月7日からドイツのハノーバーで開催される国際見本市へ訪問します。ハノーバーで新しい技術や商品を見学しますが、同じく訪問される方がいましたら現地でお会いできればと考えています。

以下の長谷川までご連絡下さい。

k.hasegawa@almak-japan.com

以上

2014.2.19

■ 北米における産業用制御盤の電線識別について

国内のJSIA(日本配電制御システム工業会)あるいはJEM(日本電機工業会)の相色別は3相3線式回路についてそれぞれ(赤-白―青)あるいは(赤―白―黒)の絶縁電線あるいは電線端末を色付きターミナルキャップ等で識別することがありますが、この識別のままに北米の制御盤に適用すると問題の生じることがありますので充分に電線の識別法について理解しておく必要があります。

産業用機械の制御盤について、北米ではNFPA79の13.2.1.1項による電線識別が求められており、その方法としては文字(大文字または小文字の何れかのローマ字)・数字(アラビア数字)・文字と数字の組合せ、あるいは色識別(単色または1本以上のストライプ入)を各電線接続端子部でテープやタッグ等で行い、それら識別を盤内の目立つ場所に貼付け、さらに技術資料図面等に記載することが求められています。

なお、NFPA79による電線の色識別については13.2.4.3項に従いAC/DC動力回路は黒色電線、AC制御回路は赤色電線(電源電圧と同じ電圧のときは黒色電線:UL508A)、DC制御回路は青色電線の使用が規定されていますが、その他の電線色については電圧相に使用できない電線色(白色・灰色等の中性線および緑色等の接地電線)を除く電線色を使用することが可能となっています。この場合、前述と同様にそれらの色識別を盤内の目立つ場所に貼付け、さらに技術資料図面等に記載することが求められています。

接地側中性線に要求される白色電線が4AWG(21mm^2)以上の電線サイズの場合はUL508Aの17.4項により、他の電線色(たとえば黒色)の電線端末に白色テープ等でマーキングすることにて対応ができると規定されています。

従って、国内の相色別で使用されている3相3線式回路での赤―白―青色のターミナルキャップによる電線端末での白色キャップの使用は北米に於いて接地側中性電線を意味することになりますので、電線の色識別を使用する場合は北米での供給電源の配電方式を確認する必要があります。

 
参考として、現在、米国では商業ビルや公共設備等で使用される電線色識別があり、一般的に480Y/277V回路ではBlown―Orange―Yellow―Gray(中性線)、208Y/120V回路ではBlack―Red―Blue―White(中性線)の電線色識別が普及しています。ユーザーによっては工場設備の電線色と仕様を合わせるために機械装置制御盤の電線に色識別が指定されている場合もあり、機械装置の設備によっては電線端末の白色ターミナルキャップの使用が問題を起こす場合がありますので、ユーザーに確認する必要があります。

従って、ユーザーの電源供給事情や電線識別等の指定が不明の場合、産業用機械の制御盤についてはNFPA79に従い文字と数字等による電線識別の方法が問題を避けるために適当と考えます。

 
現在米国に滞在している、または滞在した経験のあるエンジンニアの皆様に以下の協力をお願い致します。

米国内の商業ビルや公共施設その他工場等で使用されている前述の建屋電気設備の電線色識別が産業用機械の制御盤の電線識別にどの程度の影響を及ぼしているか調査しています。

制御盤の電線の色識別をユーザーやAHJから要求された経験が有る、または無かった。有った場合はどのような要求であったかをお知らせ下さい。皆様のお役に立てればと考えております。

連絡先 :担当 長谷川 迄 k.hasegawa@almak-japan.com 以上


2014.1.16

■ 産業用機械装置の電源引込み用開閉器等の設置と外部操作ハンドルの要求について

産業用機械装置は供給電源を断路するための断路開閉器等の設置が求められます。

また、電気設備規格NFPA70と産業用機械装置規格NFPA79の適用範囲の責任分介点を明確にするため、通常は電源引込み開閉機器等が設置されます。

NFPA79 1.1.1項
産業用機械装置の電気規格の適用範囲は機械装置に表示される電線供給ケーブルの接続点以降となります。

5.1.1項 電源供給ケーブルの機械装置の電源引込み箇所は原則1箇所とすること。

5.3.1.1項 機械装置の電源供給引込み箇所には開閉器等(プラグコネクタを含)を設置すること。

5.3.1.1.1項 断路開閉器等にはその開閉する使用機械名を表示すること。

5.3.1.2項 断路開閉器等の目的は電源から機械装置を安全に断路することである。

5.3.3.1項 断路開閉器等はON-OFF位置の操作で確実に断路できる外部操作ハンドルを設けること。ただし、リモート操作用の断路開閉器等については外部操作ハンドルを必要としない。

5.3.4.2項 この外部操作ハンドルはエンクロージャの保護構造に準じ、また扉等を開放した場合でも操作できる内部操作ハンドルを設けること。

なお、電源開閉器等にはプラグコネクタも含まれますが、その選定には条件がありますので注意して下さい。

以上


2013.11.12

■ NFPA79によるサーボモーター回路の電線サイズについて

サーボ回路に使用される電線サイズは原則機器メーカの指定によりますが、NFPA79-2012版 19.3項ではドライブの入力電流FLCに対して115%以上の容量を求めています。ただし、設計周囲温度の基準は30℃であるため通常の設計周囲温度である40℃とする場合、減衰ファクタ0.88を考慮する必要があります。

たとえば、ドライブの入力電流をFLC10Aとすると、要求される電線容量は(10Ax1.15/0.88=13.1A)とになります。また、出力側電線サイズは連続運転時のモーターの定格電流FLCの115%以上となっており、同様に周囲温度を考慮する必要がありますが、断続運転の場合は負荷負担に応じて電流容量を低減することができます。

配線方法で規定されていることは、サーボドライブからモーター負荷への配線をシールド電線で敷設しない場合、他の制御回路や信号回路の電線と隔離することが求められています。

その要求は20A以下の場合は100mm以上、40A以下は150mm、80A以下は200mm以上、160A以下は250mm以上隔離することを求めています。

同様にインバータ回路の電線サイズや過電流保護機器はメーカ指定が優先されますが、指定されていない場合は電線サイズはFLCの125%以上であり、またその過電流保護機器定格はUL508A表31.1に従って決定されます。ただし過電流保護機器の種類(ブレーカ、ヒューズ、マニュアルモータースタータ等)によって異なるので注意する必要があります。

以上


2013.9.9

■ NFPA79 対応への電気回路チェック体験の実習セミナーの開催について

9月27日(金)東京で開催されるセミナーが2週間後に迫りましたが、

まだ、充分参加可能ですので米国向けの案件を抱えて苦慮されている方、またはこの機会に

電気回路チェックの方法を再確認したいエンジニアの皆様、少人数での対応となっていますので、

是非とも、ご参加下さい。お待ちしています。

以上

2013.8.4

■ NFPA79 対応への電気回路チェック体験の実習セミナーの開催(募集案内)

来る、9月27日(金曜)東京中小企業振興公社の秋葉原庁舎にて標記セミナーを開催致します。

参加ご希望の方はここをクリックして詳細をご覧下さい。


2013.8.1

■ 北米向け制御回路における接点のパラレル接続の禁止について

先日、ある顧客からの依頼で北米向け設計の回路チェックをしましたが、制御トランス二次側の過電流保護機器としてCP15A定格が選定されていました。 その二次側回路の充電側にはその回路をON-OFFするためのコンタクタが設置されており、その接点をパラレルに接続されているのを確認しました。この選定は国内向け対応としてまったく問題がなく設計されているところですが、北米向け機械装置については制御回路の接点のパラレル接続を禁止されていますのでご注意下さい。

コンタクタの接点を使用するのはまったく問題がないのですが、その接点の定格通電電流が10Aであったため、接点をパラレルにして合計20Aで対応していました。NFPA79-9.1.4.1項の規定によると、明確に制御回路での分流を目的にしたパラレル接点の対応は禁止されていますので注意してください。

なお、このコンタクタの接点定格は、AC-12適用(抵抗負荷)で10A/110V、AC-15適用(誘導負荷)では6A/110Vとなっており、たとえ、パラレル接点だとしてもAC-15適用の場合には接点の溶着の危険性が残ります。従って、CP15Aの制御回路については少なくともコンタクタの接点がAC-15適用で15Aに対応するコンタクタの選定が求められます。

前述のような制御回路において、多々、定格通電電流が10AのLY2N補助リレーの使用を見ることが有りますが、この場合も補助リレーの接点AC-15適用の場合には7.5A/110Vとなりますので、制御回路の過電流保護機器や補助リレーの定格電流値の選定には充分注意が必要です。

 
以上


2013.6.9

■ 米国に於いてもリスクアセスメントとリスク低減が求められています。

米国向けの機械装置について国際規格ISO/IEC12100-2010版は適用できるのだろうかという疑問があります。国内ではISO12100-1, ISO12100-2(機械類の安全設計に関する基本概念)に対応したJISB9700-1、-2とISO14121(リスクアセスメント)に対応したJISB9702が発行されています。ISO/IEC12100-2010が統合されたように、現在、日本ではそれらJIS規格を統合する作業に入っていますが、すでにこの機械安全については2001年6月1日の厚生労働省による通達「機械の包括的な安全基準に関する基準」以来、それに従ってリスクアセスメントとリスク低減が求められています。この国内規格のリスクアセスメントについても米国では適用するのだろうかという疑問が残ります。

現在ではリスクアセスメントに関して、平成19年7月31日付基発第0731001号の「機械包括安全指針」により機械の設計・製造および使用等の段階においてリスクアセスメントを実施し、それに基づいて更に改正労働安全衛生規則第24条の13に従い「残留リスク情報の提供の要求」が平成24年4月1日から施行・適用され、機械の譲渡者または使用業者にその情報を提供することが努力義務となっています。しかし、以上のような国内でのリスクアセスメントとリスク低減がそのまま米国でも認められるのであろうかとの不安が残ります。

ANSI/ISO12100-2012 「機械安全-設計の基本原則-リスクアセスメントとリスク低減」(IDT)は米国B11.0委員会によって発行されている米国規格でもあり、海外メーカはこれに適用することが出来ます。然しながら、同様にB11.0委員会はISO12100とは完全一致していないANSI B11.0-2010「機械安全-基本要求とリスクアセスメント(リスク低減を含む)」をも発行しており、海外メーカとしてはANSI/ISO12100を適用すべきなのかANSI B11.0を適用すべきなのか迷うことになります。その理由は、ANSI B11.0の内容には「このANSI B11.0規格はメーカ(譲渡者等)とユーザー(使用業者等)、同様にAHJによっても使用されるべきである」と記載されている情報のあることです。米国ではAHJが機械装置の使用の最終認可をしているということはいうまでもありません。いずれにしても、どちらもリスクアセスメントとリスク低減および残留リスクの情報提供は求めています。

なお、ANSI B11.0-2010では、メーカはこの規格がANSI規格として承認された2010年12月2日から新たに設計する機械等について、30ヶ月以内(すなわち2013年6月2日まで)にこの規格を適用するよう推奨していることをお知らせします。

 
以上


2013.5.30

■ 電源用の開閉器や遮断器の配置と取付に注意!

北米向けの制御盤の製作の引合いに際して、時々ある設計者はIEC60204-1規格による設計をそのまま採用し、使用する機器を可能な限りUL認証品を選定することで制御盤を製作するということをよく耳にします。従来は特に問題は生じていなかったとのことでしたが、今回、北米規格に対応すべき制御盤を某認証機関の立会い検査をした際に、電源用遮断器の配置と取付についてある点を指摘されたとのことです。

遮断器の端子に絶縁電線で接続する場合は問題ないのですが、ブスバーで接続する場合には注意する点があります。NFPA79の 11.2.1.3項には制御盤内に配置する50VAC以上の露出充電部(ブスバー等)はエンクロージャの金属部である側面等から1/2インチ(13mm)以上のスペースを確保することが規定されています。また、露出充電部と扉との間は1インチ(25mm)以上のスペースを確保することが規定されています。同様に、ブスバーと取付板の間隔も13mm以上が求められますが、遮断器の端子部にブスバー接続用の拡張銅バーを取付ける場合に問題が生じたとのことです。すなはち、拡張銅バーとブスバーを接続するときに前面側から接続ボルトで締付けるのですが、ボルトの長さによってはボルトの先端と中板との間隔が13mmを確保できないことがあり、注意が必要です。この点を指摘されたとのことですので、充電部と金属部との間隔などを設計の際に考慮し、特に拡張銅バーを使用するときにはスペースの確保に充分注意をしてください。

以上

2013.5.23

■ スラッシュ定格機器の選定に注意(再確認)

電源開閉器や分岐回路等に使用されるブレーカやセルフ・プロテクテッド・コンビネーション・コントローラおよびマニュアル・モーターコントローラの遮断器はNFPA 79の 7.2.1.4項に従って、電源電圧に対応した機器を選定することが求められています。電源トランス二次側がデルタ結線でコーナー接地の480V電源供給回路に480Y/277Vのスラッシュ定格の機器を使用することは出来ないので注意してください。

海外規格向けに設計する場合、海外での電源は通常スター結線の中性点接地の配電方式が多くを占めており、この場合の480V電源回路にはスラッシュ定格(slush-rated)480Y/277V表示のブレーカ等を選定することが可能です。但し、国内で出荷前検査をする場合、デルタ結線のコーナー接地の通常の国内用電源回路に接続するときには問題となることがありますので注意してください。このスラッシュ定格機器の特徴は対地間電圧(絶縁電圧)を低くすることによって対地間の絶縁沿面距離を小さくし、機器の小型化およびコスト削減を目的として開発されたものです。従って、480Y/277V表示の機器は対地電圧が480Vの電源回路には使用できません、ただし、対地電圧が240Vのデルタ結線の電源回路には使用できます。すなわち電源電圧の対地電圧よりも、機器表示の対地電圧が高い場合には使用が可能であり、低い場合には使用できないということを意味しています。

<連絡>                                                      来る、6月7日(金)東京地区、6月21日(金)大阪地区でNFPA79-2012版の解説セミナーを開催します。海外規格についてイラスト図等で解り易く説明しておりますので、この機会に是非ご参加下さい。


以上


2013.5.17

■ 点検時等の感電保護の対応について

電源開閉器の装備されている制御盤エンクロージャは通常その外部操作ハンドルとドアとの間に機械的インターロックを設けてOFF位置でのみドアが開放できる構造となっていることは承知のことと思います。ただし、装置の試運転や点検等のときにはドアインターロックを解除して充電状態で作業をすることがあり、その場面に多々遭遇することがあります。この場合、端子台の保護カバーを外すことが可能なのか、すなわち充電部を露出させて保護しない状態で点検等が出来るのかとの質問がありました。皆さんはどのように判断されるでしょうか。

これは電源開閉器が装備されておらず外部操作ハンドルのない場合はどのような対応が必要なのかとの質問と重なります。NFPA79 の6.2.4項にはまず、そのエンクロージャにアクセスできるのは有資格者のみであり、錠や工具を使用しなければ開放できない構造であることが求められています。なお、錠や工具なしで開放できるエンクロージャの場合には、内部の充電部が確実に隔離され、保護ガードされていることが条件となっており、露出充電部に触れない構造とすることが規定されています。当然、「WARNING: Electrical Hazards. Authorized person only」警告表示が必要となります。

従って、端子台の保護カバーを外して充電部を露出させ指先等が触れることは認められず、このような構造の端子台は感電の恐れがあり使用が出来ないことになります。

以上

来る6月7日(金)東京地区、6月21日(金)大阪地区でNFPA79-2012版の解説セミナーを開催します。海外規格についてイラスト図等で解り易く説明しておりますので、この機会に是非ご参加下さい。

 

2013.5.13

■ 電源開閉器等の操作ハンドルの色識別と停止カテゴリについて(確認)

機械装置がリスクアセスメント(RA)の実施により「停止カテゴリ1」のコントロールされた停止の非常停止スイッチの装備を求められた場合、他方でNFPA79の9.2.5.3項の規定に従い全ての機械装置は「停止カテゴリ0」の停止を装備するように規定されているため、これらは矛盾するのではないかとの指摘がありました。

RAにより機械装置は「停止カテゴリ1」の機能を有する赤色/黄色操作部の非常停止スイッチを装備することになりますが、他方の「停止カテゴリ0」の要求は非常停止を求めているのではなく、電源と機械装置を安全に断路開閉できることを要求しています。この断路開閉機器としては電源開閉器、電源用サーキットブレーカあるいは電源用プラグソケット等が選定されますが、この場合の操作ハンドルは黒色で区別されることになります。すなわち、この機械装置には「停止カテゴリ0」の黒色操作ハンドルの電源開閉器等と「停止カテゴリ1」の赤色/黄色操作ハンドルの非常停止スイッチが装備されることになります。

なお、RAにより「停止カテゴリ0」の非常停止スイッチが求められた場合、電源開閉器等を黒色ではなく赤色/黄色の非常停止機能を表示する操作ハンドルを選定することで、2つの機能を共有する1台の電源開閉器で対応することができます。

以上

追記:来る6月7日(金)東京地区と6月21日(金)大阪地区で開催の解説セミナーの参加を募集しています。この機会に是非ともご参加下さい。


2013.4.9

■ NFPA79におけるタップ付電力用絶縁トランスの制御回路への使用について

AC制御回路の電源は通常、主電源開閉器の二次側から供給され、単相絶縁トランスより制御回路電源を供給するように規定されています。ただし、制御回路電源トランスの二次側回路が120V以下で、さらに制御回路の推定短絡電流が1000A(%インピーダンスによるが一般的に制御トランスは2.5KVA程度)以下の場合、このトランスを省略することができてAC交流電源電圧をそのままトランスを介さずに直接制御回路用電源として使用することができます。

なお、複巻タイプの電力用絶縁トランス(各種電圧タップ付)について、タップ電圧が制御回路の電圧として120V以下で、さらに推定短絡電流が1000A以下となるきにこの電圧タップ付電力用絶縁トランスの使用が認められます。すなわち、タップ付電力用絶縁トランスの二次側のタップ回路の一部を制御回路として使用する場合、そのタップ電圧回路の容量は120V以下で推定短絡電流1000A以下となるようなトランス容量であることが求められています。

DC電源の制御回路が装置接地ボンディング回路に接続されている場合、その電源はAC絶縁制御トランスから供給されること、またはその他のトランス、あるいはListed DC電源ユニットより供給されること。すなわちDC電源ユニットが主電源開閉器の二次側に配置されて、このユニットに絶縁トランスを含む場合はトランスを追加する必要がありません。なお、DC制御回路電圧は250V以下であることが求められています。

制御回路の電源は主電源開閉器の二次側から供給するのであるが、マーキング表示されている除外回路(照明回路、不足電圧トリップ回路、メンテナンス用コンセント回路およびメモリを保持する電源供給回路等)である制御回路はその主電源開閉器の電源側から電源供給することが認められています。

120V以外の制御回路電圧について

原則はAC制御回路電圧は単相120Vを超えないこと。

但し、電子制御機器の動作に必要な場合は120V以外の電圧を使用することができる。また、大形コンタクタ等の操作時の投入電流が120V、20Aを超えるような場合は120Vを超える電圧を使用することが認められます。この場合のコンタクタ等の操作回路の両極は接点で開閉される回路とすることが求められています。

以上


2013.3.15

■ 米国向け産業用機械の電気安全規格 NFPA79-2012解説セミナーのご案内

来る、67日(金)《東京地区》と621日(金)《大阪地区》の二ヶ所に於いて標記の解説セミナーを開催することになりましたので、是非とも、この機会に参加下さいますようご案内申し上げます。

なお、参加希望の皆様はここをクリックしてご応募下さい。

参加人数に制限がありますので、何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。

以上

2013.2.27

■ 欧米向けに機械装置を設計する際、国内向けと異なる間接接触の感電保護への対応  が求められます。(再確認)

先日、欧米の配電方式とその接地方式に関して、国内向けとはどのような違いがあるかとの質問がありました。これに関連した問題は度々、現地で設計変更することになったという情報もあり、安全設計をするうえでも重要なポイントとなりますので再確認してください。

欧米向けと国内向けの設計で大きく異なる重要なポイントは間接接触に対する感電保護方法があります。特に配電方式と接地方式の違いを理解せず設計することによって、現地にその機械装置をそのまま電源に接続することで火災事故の発生や現地の運転作業者の誤解による感電事故を起こす恐れがあるので充分な注意が必要です。

国内での配電方式を欧米基準の共通認識で表すならばTT系統接地方式となり、その機械装置の間接接触に対応する感電保護は通常、漏電遮断器(30mmA感度)を電源回路に設置することに依ります。これはご承知のように国内で一般的に設計される直接接触と間接接触による感電保護の対応方法となっています。

 
他方、欧米での間接接触による保護は通常、電源設備トランスの(Y)スター結線による配電方式のTN系統接地方式に対応しており、電源設備トランス「側」の接地系統と機械装置「側」の接地系統とは装置接地保護ボンディング回路にて直接接続された中性点接地方式の設計に基づきます。

 
このTN系統接地方式の場合、充電部の絶縁劣化等の際に生じる漏電電流は全ての金属部分にボンディングされたインピーダンスの小さい装置接地保護ボンディング回路を経て電源設備トランスの中性点に戻ることで、間接接触による感電保護に対応しています。すなわち、欧米の機械装置のほとんどの金属部分には絶縁劣化等による漏電電流や故障電流による危険な接地電圧が生じないような設計がされていることになります。言い換えれば、漏電電流に対しては可能な限り全ての漏電電流をこのボンディング回路に通電させる設計をすることであり、さらに拡大する地絡・短絡電流の故障電流さえも安全確実に回路を通電させるために充分な電線・導体サイズを有する設計がされていることです。これが欧米で要求される間接接触に対応した装置接地保護ボンディング回路による感電保護方法となります。

 
従って、国内仕様のC,D接地工事に対応して設計された機械装置を欧米の配電方式の電源設備にそのまま電源へ接続すると、その状態で何らかの漏電や地絡事故が起きた場合、その発生する大きな地絡・短絡電流によって接地回路の導体・電線サイズの容量が不足して電線等が焼損し、火災に至る恐れがあります。

 
また、装置接地保護ボンディング回路による間接接触による感電保護に慣れている欧米の運転作業者は全ての金属部分が接地されているものと認識しているため、装置接地保護ボンディング回路に接続されていない金属部分がある場合には故障の際に接地電圧が生じていることを知らずに接触し感電する恐れがあります。従って、欧米向けに機械装置を設計する際、国内向けと異なる上述のような間接接触の感電保護への対応が求められています。

 
参考:

欧米では漏電遮断器(30mmA感度)を電源に設置することのみで間接接触による感電保護に対応するものとは認められていません。人体の感電保護を求めるならば5mmA感度の漏電遮断器の設置が求められます。なお、30mmA感度の漏電遮断器は機器保護としての対応となっています。

 
以上



2013.2.6

■ 北米向けで要求される制御盤エンクロージャのNEMAタイプについて

北米に輸出される機械装置には電気制御盤が設置されますが、その制御盤のエンクロージャはNEMAタイプ表示のエンクロージャを要求されることがあります。NEMAタイプのエンクロージャはNEMA 250規格により定められており、NEMAタイプ5とかNEMAタイプ12のように表示されます。たとえば客先よりNEMAタイプ5のエンクロージャを求められたときにはNEMAタイプ5以上の保護構造でなければいけません。

NEMAタイプ5は屋内使用の危険区域外で使用されものであり、そのエンクロージャの保護構造は以下に続く4項目の環境に対応する必要があります。1)充電部に直接触ることができない保護、2)埃など外部の落下物の侵入からの保護、3)水の落下や跳ね返りによる浸入からの保護、および4)漂っている危険物質ではない埃、糸くず、繊維くずやその他浮遊物の侵入からの保護に対応するエンクロージャであることが求められます。

なお、NEMAタイプ12は屋内使用の危険区域外で使用されるものであり、そのエンクロージャの保護構造はNEMAタイプ5で要求される保護構造の4項目に追加して、1)循環している危険物質ではない埃、糸くず、繊維くずやその他浮遊物の侵入からの保護、および2)油や冷却剤の浸潤からの保護に対応するエンクロージャであることが求められます。一般的に工場などに設置される産業用制御盤はNEMAタイプ12が使用されています。

IP保護構造と比較するならばNEMAタイプ5はIP53相当であり、NEMAタイプ12はIP54相当の保護構造となります。NEMAタイプを要求されている場合はIEC60259により試験されたIP保護構造のエンクロージャではなく、NEMA 250規格により試験されたエンクロージャが要求されます。

以上

2012.12.9

■ 制御盤の扉ハンドルの施錠の要求について

標記に関連して以下の質問がありました。

1.制御盤の扉ハンドルは鍵付とすべきでしょうか。

2.  主電源ブレーカの外部操作ハンドルは施錠のできる構造とすべきか。

3. 扉開放の盤のメンテナンス時でも主電源ブレーカをロックすることが求められるのか。

NFPA79による対応

エンクロージャ内にアクセスする場合、主電源ブレーカの外部操作ハンドルが盤面に装備されていない制御盤の扉ハンドルは鍵やカムロック付の構造であることが求められています。ただし、制御盤内の充電部が絶縁材等によって隔離され保護ガードされている場合は扉に施錠が要求されていません。この場合、有資格者のみが操作できることを表示する必要があります。(6.2.4項)

主電源ブレーカの外部操作ハンドルは施錠できるドアインターロック構造であり、OFF位置でしか扉を開放できないように南京錠が取付けられた構造が求められています。通常、これらは3個の南京錠で施錠するようになっています。

なお、ドアインターロック構造は50VAC以上の回路に要求され、主電源ブレーカの外部操作ハンドルがON位置にある場合、扉が開かないような構造が求められています。

欧米では施錠される南京錠3個のうち1個の鍵は管理者のため、残り2個は作業者のためと認識されており、修理作業者がメンテナンス中に鍵を持っている間、主電源ブレーカは他の者によって決して投入することのできない最も安全な方法であると理解されています。

また、主電源ブレーカは扉の位置(開放、閉)に依存せず、OFF位置で施錠できる構造であることが求められています。すなわち、扉が開放されたメンテナンス作業時の際に主電源ブレーカの内部操作ハンドルは同様にOFF位置で施錠できる構造とすることが求められています。(5.3.3.1項)

 
以上


2012. 11.8

■ JIMTOF 2012に電気エンジニアの立場から参加して(感想)

去る11月4日から2日間に14時間をかけてJIMTOF 2012の会場を機械装置の電気エンジニアの立場から国際規格への対応設計とその安全意識の動向を調査しました。なお、国際見本市であるために海外の機械装置メーカ(特にドイツ、アメリカ、台湾、中国、韓国等)についても北米規格/国際規格への対応の動向を東1から東6ホールを中心に調査しました。感想として調査に14時間を要したが東ホール全出展339社のうち49社に設計規格上の問題があり、国内の機械メーカは北米/国際規格あるいはJISB9960の機械の電気安全規格に従う必要のあることが分りました。なお、長時間歩いたため足腰に痛みを感じ、同時に歳を感じる結果となりましたが、自身の健康のためにも日々のウオーキングをさらにレベルアップすべきことを痛感した調査でもあった。

北米/国際規格への対応の有無については外観を目視できる範囲で産業用制御盤(ICP)の盤面に装備された主電源SWと押しボタンSW(ESTOP)等の装備状態から判断することにしました。これらSWの装備にも設置上の規定があり、それに従っているか否かで判断しましたが、展示品については国内向けや展示品としての設計もありますので、その点はご考慮下さい。

これらSWの装備に関する規定には主電源SWの操作位置の高さ(600mm以上)やESTOPの赤/黄色の表示についての要求があり、それら北米/国際規格に対応しているか否かで判断しました。また主電源SWのドアインターロック構造については、ドイツ社、アジア社製の機械装置で容易に目視判断できたが、国内メーカ製の機械装置には主電源SWを可動扉面ではなくエンクロージャ側面等の固定面に装備しているものが多かったため、扉またはカバーと主電源SWとの間にインターロック構造の有無を確認することが出来なかった。

欧米のメーカではICPのエンクロージャに既製品を使用するものが多くドアインターロック構造の判断が容易であったが、国産機械メーカはICPのエンクロージャを機械装置内に組込むコンパクト化の傾向があったため、主電源SWとエンクロージャ扉等とのインターロック構造が容易に構築できず複雑化しているものと考えたが、主電源SWとエンクロージャ扉間がインターロック構造となっていない可能性もあるので注意をする点でもある。

運転員の全身や上半身が機械内部に入り得るような大型の機械装置においてはその開口部の保護ガードや扉を除いて、主電源SWを含めた機械装置の全体を覆うエンクロージャをネジ止めして密閉し、工具なしではそれらを外すことのできない構造とするものが多々あった。この場合の主電源SW取付の注意点としては供給電源先に設置すべき機械装置を保護するための過電流保護機器の定格を指定表示し、同時に供給電源をOFFした後にエンクロージャを外す等の警告表示をする必要がある。

まとめ

調査結果において、国内機械メーカが適用すべきJISB 9960-1がIEC60204-1、NFPA79(一部を除く)に整合されていながらも、まだ非常停止SWや主電源SWの使用方法が充分認識されてなく機械安全に対応していない会社が49社あった。海外メーカでは台湾の1社を除いてほとんどの機械メーカが国際規格に対応していることから、国内の機械メーカには機械安全のリスクアセスメントの重要性をまだ充分認識されていず、海外市場での安全の要求に対応できていないところもあり、その結果としてアジアの機械メーカにも機械安全の面で遅れをとることが危惧される。なお、繰り返すが主電源SWの高さや非常停止の赤/黄色表示の要求は機械安全の要求の一部であることを認識する必要がある。

以上


2012.10.12

■ (緊急連絡)海外向けに輸出を検討している機械メーカ等の電気エンジニアの皆様へ

弊社アルマック・ジャパンLLC.は来る10月19日(金曜)にNFPA79の解説セミナーを西鉄イン福岡で開催致しますが、その前日の10月18日(木曜)は九州地方の皆様に海外向け物件の設計に関する規格や設計上の対処法等について相談のある方を対象に、無料のなんでも相談会を開催することに致しました。少しでも皆様の疑問等を解消して頂きたく思いますので、お気兼ねなくこの機会をご利用下さい。

● なんでも相談会の場所は西鉄イン福岡あるいは福岡市近郊の御社指定場所とします。

● 相談時間は午前10時から午後6時までの各2時間単位とさせて頂きます。

● ご相談会への申込みは以下の弊社担当メール宛へお願いします。

お申し込みの先着順に従ってこちらから確認のメールを返信させて頂きます。

追って、ご相談時間や場所等の調整をさせて頂きます。

 
担当: 長谷川 e-mail : k.hasegawa@almak-japan.com 

 
この機会に是非ともご活用下さい。

以上

2012年8月18日

■ 米国向け産業機械の電機規格NFPA79-2012版の解説セミナーのご案内

来る10月19日(金)に九州地区(西鉄イン福岡)で標記セミナーを開催することになりました。海外へ機械装置を輸出さられる装置メーカーの電気エンジニアの皆様には是非とも欧米と国内の電気安全の考え方の違いについて知っていただきたいと考えております。

参加ご希望の皆様はここをクリックして案内書をご覧下さい。

以上

2012年9月26日

■ 北米向け制御回路トランスの容量や二次側電圧の決定には制限があるのか。

制御回路のトランス容量は何VAまで使用できるのか度々問合せがあります。具体的な容量等はNFPA79には規定されてないため、制御回路のトランス容量に時々問題のある制御盤を見かけることがありますが、その制御トランスについては二次側タップ付タイプも含めて対応すべきポイントがありますので充分に注意が必要です。

制御回路の電圧についてはNFPA79の9.1.2項によると複巻マルチタップ付トランスの各タップ電源を含めて交流では単相120Vを超えず、また直流電源では250Vを超えないことが規定されています。ただし、コンタクタ等の投入電流が120Vで20Aを超える場合には補助リレー等の接点を介して120V以上の電源を例外として使用することが出来ます。この場合、コンタクタの操作コイルは補助リレーの接点で両切りするように規定されています。その他、電子機器等の運転に不可欠な操作電源AC200Vを必要とする場合は例外としての使用が認められています。

先に述べたように制御トランスの容量は具体的に規定されていませんが、NFPA79の9.1.1.1項によると制御回路は電圧AC120Vを越えず、さらに短絡電流が1000Aを超えない電源から供給されるように規定されています。従って、短絡電流は制御トランス容量の%インピーダンスにより異なため、例えば%Zが2%のときのトランス容量はP ≦(1000 x 120 x 2)/100 = 2400VA以下となります。なお、NFPA79の9.1.1.3項によると主回路を含め制御回路の交流電源が120Vを超えず、さらに回路の短絡電流が1000Aを越えない場合は制御トランスを省くことができると規定されています。

なお、制御トランスに関しては他に容量の決定法等を含めて注意すべきポイントが多々ありますが、詳細は10月19日(金)福岡で開催されるNFPA79解説セミナーでも説明いたしますので、是非とも参加されることをお勧めいたします。この参加申込みの詳細については上記(■ 米国向け産業機械の電機規格NFPA79-2012版の解説セミナーのご案内)を参照下さい。

以上


2012年9月18日

■ 制御盤の露出充電部に要求されるスペースは確保されていますか?

北米向けで設計する場合、露出充電部に対するスペースは安全に関わる重要なポイントとなっています。然しながら多くの場合、そのスペースに関しては当然NRTLによりリステッドされた制御機器等を使用することで多くの問題を解決することが出来ます。すなわち、制御機器がUL508等の規格品を使用することで、要求される充電部端子間の空間距離や沿面距離および絶縁材等の要求が満たされ、多くの点でこれらのスペースに対応することが出来ます。しかしながら、先日、制御盤のUL認証を受けた某会社からその検査のポイントを知ることが出来ましたので、紹介いたします。

制御機器本体はリステッドされた製品を使用するならば問題がないのですが、これらの取付方法によってはスペースを指摘され大きな設計変更となる場合が有りますので注意が必要です。たとえば、制御機器本体の露出充電部の端子間については問題はないのですが、その隣に配置する制御機器の露出充電部とのスペースやエンクロージャの鋼板側壁部分等とのスペースに問題が生じる場合があります。この要求されるスペースについてはNFPA79の11.2.1.3によるとAC50V、DC60V以上の回路においては機器露出充電部(端子部)と鋼板製エンクロージャとのスペースは13mm以上が要求され、またエンクロージャ扉とのスペースは25mm以上が要求されていますので注意が必要です。またUL508Aに従うならばフィーダ回路の露出充電部に関しては表10.2による充電部とのスペース、あるいは分岐回路や制御回路に関しては表10.1による充電部とのスペースについて、それぞれ沿面距離と空間距離等が規定されていますのでご確認下さい。

 特に盲点となっているところは電源サーキットブレーカCBをブスバー等で接続する場合、すなわちブスバーとCBの延長(スプレッド)ブスバー端子を使用して接続するようなとき、そのブスバーとCB延長端子を接続する際のボルトナットの露出充電部とエンクロージャ間とのスペースを規定通りに確保する必要があります。なぜなら、ボルトの長さやブスバーの厚さによってはその露出充電部とエンクロージャの間隔が接近することに気づかない場合があるためであり、検査官から指摘されるポイントとなっているからです。前述のようにNFPA79によるとそのスペースは13mm以上を要求していますが、UL508Aによると表10.2により480Y/277Vスター結線回路については12.7mm以上であり、480Vデルタ結線回路については25mm以上が要求されますのでご注意下さい。

以上

2012年8月28日

■ 北米向け操作盤の操作スイッチ用のパネルカットに注意

22Φ等の操作スイッチの取付けについてはあまり注意が及びませんが、操作盤の板金設計ではどのようなパネルカットをしているでしょうか。各操作機器メーカによって異なりますが通常、回り止めのパネルカットが使用されています。あるメーカさんでは22Φの操作スイッチ取付を簡単にするため回り止めの3.2Φカットを追加せず、25Φのパネルカットで対応して取付けていたために検査官から指摘されたケースがありましたので注意が必要です。

NFPA79 10.5項では回転させる操作スイッチについて、たとえばセレクタスイッチあるいは捻廻しリセット式の非常停止押しボタンスイッチ等も含みますが、摩擦に頼らない回転防止構造のパネルカットが要求されています。特にΦ22mmのセレクタ操作スイッチおよび小型セレクタスイッチやポテンショメータ用ツマミのパネルカット形状は回転止め構造であることが求められますが、摩擦やロックワッシャーでの対応では不十分であり、この取付で変更を求められたメーカがありましたので注意してください。通常、円形のパネルカットについて、セレクタスイッチ等の回転させる操作機器に関しては原則として回転しないパネルカットが要求されています。なお、国内の操作スイッチメーカにおいてもパネルカットについて多方向スイッチは除く等の条件がありますのでご確認下さい。UL認定品の操作スイッチの取付方法についても条件がついている場合がありますので、再度確認することをお勧めします。

 以上

2012年8月7日

■ 米国向け制御盤エンクロージャの保護構造について。

米国向けのエンクロージャの保護構造は通常NEMAタイプ等で表示されていますが、UL認証によるANSI/UL50はエンクロージャ扉等に操作スイッチや表示灯などの制御機器が取付けられた状態での保護構造を要求しています。通常、米国向けエンクロージャの既製品はNEMAタイプ(屋内仕様;NEMA12, NEMA13等で)表示されていますが、これらは制御機器等が取付けられていない状態のエンクロージャ保護構造を示していますので注意は必要です。

すなわち、据付場所での外部環境に対応するためには少なくともエンクロージャ扉に制御機器などを取付けた場合の保護構造について考慮する必要が有ります。特に米国向け押しボタンスイッチや表示灯の制御機器にはNEMAタイプ(IP保護構造に相当)表示がありますので、それが外部環境で要求される保護構造に対応する必要があります。

同様に、制御盤から外部に出る配線においても保護構造が求められ、ケーブルグランドやブッシング等がエンクロージャに接続固定される部分についても要求されるエンクロージャの保護構造NEMAタイプ(IP保護構造)を低下させないことが求められますので注意が必要です。(13.4.1)

以上

追記:

アルマック・ジャパンLLC.は株式会社三笠製作所と協同で海外規格の製造編を含めた分りやすい解説をご用意しましたので、この機会に是非ともご参加下さい。今回のシリーズは米国規格です。

 
●  毎月のテーマに従い第一部は設計編・第二部は製造編の構成とし、海外規格を学べます。

●  セミナー中にも質疑応答の時間をもうけ、セミナー後も個別の質問にお答えさせて頂きます。

 
■       会場 : 株式会社 三笠製作所 扶桑工場 セミナールーム

■       参加申込: 無料 (申込み順となります)

■       スケジュールおよび参加申込み等の詳細は以下のURLを閲覧下さい。

     三笠製作所 URL http://www.mikasa-med.co.jp

以上


2012.6.28

■ 制御回路の電源電圧は交流の場合、何ボルト!

先日、ある企業では北米向け制御盤の設計をしていましたが、制御回路の電圧をどうすべきか対応に苦慮していました。何故ならば、一般的に国内では交流について制御回路100Vが使用されていますが、北米ではNFPA79 9.1.2項によりAC120Vを超えないように規定されていたからです。すなわち、制御機器には120Vの制御電圧に適応していない高い電圧の機器も多々存在しており、その場合にはどのような対応をすべきなのか悩むことになります。

制御機器にはAC200Vの制御回路を要求するものがありますが、AC120Vでは対応できないことになります。この場合、NFPA79 9.1.2項の例外規定を適用することになります。まず、使用制御機器が電子機器、精密機器あるいはそれと同等な機器の操作電源として使用するものについては120V以上の電圧でも可能であると規定されています。

さらに、大型コンタクタ等を励磁するような制御回路にあってはAC120Vの制御回路で投入電流が20Aを超える場合、補助リレーの接点を介してAC120V以上の電圧で対応することが可能であると規定しています。ただし、この大型コンタクタを励磁する操作コイル回路は補助リレーの接点で両切することと、その補助リレーの操作回路の電圧はAC120Vとすることが規定されています。

以上

2012.6.19

■ 制御盤海外規格セミナー(毎月開催)について

アルマック・ジャパンLLC.は株式会社三笠製作所と協同で海外規格の製造編を含めた分りやすい解説をご用意しましたので、この機会に是非ともご参加下さい。今回のシリーズは米国規格です。

 
●  毎月のテーマに従い第一部は設計編・第二部は製造編の構成とし、海外規格を学べます。

●  セミナー中にも質疑応答の時間をもうけ、セミナー後も個別の質問にお答えさせて頂きます。

 
■       会場 : 株式会社 三笠製作所 扶桑工場 セミナールーム

■       参加費: 5,000円/日、セットパック12,000円/3日、20,000円/全講座(6回)

■       スケジュールおよび参加申込み等の詳細は以下のURLを閲覧下さい。

     三笠製作所 URL http://www.mikasa-med.co.jp

以上


2012.5.16

■ 電源開閉器等の遮断後に残留電圧の生じる機械装置について、改訂されています。

最近の機械装置には電源の遮断後であっても残留電圧の生じる場合が多くなっています。これに対応すべく安全のためNFPA79-2012版は改訂されていますので注意してください。特に機械装置でコンデンサ等の影響があって、電源回路を遮断した後も電源が50V以上の電圧が残留している場合は、NFPA79-2012版で追加改訂がありました。

このような機械装置はコンデンサ等による蓄電エネルギーを放電する方法を備える必要があり、その放電時間は電源開閉器等によって電源回路から開放された時点から1分以内に50V以下とすることが規定されています。この放電回路(抵抗等)はコンデンサまたはコンデンサバンクの端子にすでに接続されているか、あるいはコンデンサバンク端子に自動的に電源ラインへ接続されることが求められています。なお、放電回路の手動操作による開閉あるいは接続は認められていませんのでご注意を。この回路はアークフラッシュに関連していますので、このアークフラッシュの保護については16.2.3項(感電に対する警告とアークフラッシュに対する警告表示の要求)に従って安全表示することが求められています。アークフラッシュの表示法はNFPA70Eにその詳細が記述されています。

このアークフラッシュ保護の概要としては、電源電圧、コンタクタや開閉器等の開閉部分の充電部からの距離、および開閉機器、電圧試験端子等の種類に応じてHazard Category(NFPA70E 表130.7(c)(15)(A):カテゴリ0,1,2,3,4)が決定され、その開閉部等の露出充電部からの距離に応じてProhibited Approach Boundary, Restricted Approach Boundary, Limited Approach Boundaryの順に定められ、その各距離が電圧に応じて規定されています。また、Flash Protection Boundary は開閉部等のアークフラッシュの起きる電気装置からアークに曝されない安全な作業距離を示し、Incident Energy (Cal/cm2)が表示されます。NFPA79-2012版の改訂によってNFPA70Eに従いこれらの警告表示が義務付けられています。

 来る6月8日の大阪地区と6月15日の東京地区の二ヶ所にて米国国家規格ANSI/NFPA79-2012版の重要ポイントについて解説セミナーを開催しますので、この機会に是非とも電気技術者はもとより新入社員の皆様方にご案内申し上げます。

詳細についてはここをクリックして案内書をご覧下さい。


以上

2012.5.2

■ 電気エンジニアが急先鋒となるべきリスクアセスメントへの対応について(再確認)

機械装置の設計製造関わっているエンジニアの皆さんに質問があります。担当する機械装置のEN ISO 13489-1によるPL(パーフォーマンスレベル)またはリスクレベルはどの程度であるか把握されているでしょうか。もし、この質問に不安な方は直ぐにでもリスクアセスメントとリスク低減について社内的あるいは少なくともエンジニア個人でその対応の準備を進めるべきです。学ぶべき参考資料は多々入手可能です。

機械装置のリスクアセスメントへの対応に遅れをとっている企業について、その対応推進の急先鋒は電気エンジニアであるべきです。何故ならば、PLを知ることなく非常停止回路や安全回路等の制御システムの設計をすることができないからです。 そのPLの違いによっては電気制御回路で電磁接触器(コンタクタ)を直列に二重化する場合もあり、スペースや製造コストに大きな差が生じることは言うまでもなく、販売競争に至ってはシビアな設計ができず国内、国際競争についていけない状態となります。

リスクアセスメントとリスク低減の国際規格ではISO14121やISO12100-1,2が求められ、米国では参考としてANSI B11.0-2010の適用が一般産業用機械に求められています。なお、現在最新の入手できる参考資料としてはISO 13489-1によるPLの決定方法について、BGIA (ドイツ職業保険組合) の作成したリスクグラフによるSISTEMA (Version 1.1.4) 評価ソフトがあり、自由にダウンロードすることができます。米国での一般的な産業機械についてはANSI B11.0-2010のリスクマトリックスによる評価法があり、PLに適応するリスクレベルを決定することができます。 

PLを自動決定するSISTEMAソフトの入手は以下よりダウンロードできます。

http://www.dguv.de/ifa/en/pub/rep/pdf/rep07/biar0208/rep22008e.pdf (英文)

 
なお、この入手法とSISTEMAの使用法は以下の日本機械連合会 22年3月発行の「印刷産業機械の機能安全に関する調査研究報告書」に詳細が記載されていますので、参考としてください。

http://jmf.org.jp/japanease/houkokusho/kensaku/pdf/2010/21hyojun_02.pdf

 
米国で使用しているANSI B11.0-2010 のリスクアセスメントとリスク低減を求めるリスクマトリックスは発生の可能性と危害の程度によるリスクレベル(High, Medium, Low, Negligible)が4段階で評価され、それぞれに対応する非常停止または安全回路を含む安全関連部の制御システムを以下のように要求しています。

http://www.webstore.ansi.org より購入可能。

 
リスクレベルと安全関連部の制御システムの対応(詳細はANSI B11.0-2010を参照)

High          : 回路は連続的な自己監視をして多重化する。

High/Medium  : 回路は起動時毎に自己監視をして多重化する。

Medium./Low   : 回路は手動で監視して多重化する。

Low          : 単一チャンネルを使用する。

以上、リスクアセスメントとリスク低減のための参考情報を提供いたします。

(お知らせです)

来る6月8日の大阪地区と6月15日の東京地区の二ヶ所にて米国国家規格ANSI/NFPA79-2012版の重要ポイントについて解説セミナーを開催しますので、この機会に是非とも電気技術者はもとより新入社員の皆様方にご案内申し上げます。

詳細についてはここをクリックして案内書をご覧下さい。


2012.4.17

■ JISB9960-1で解釈の盤内の露出充電部の感電保護に対して誤解があるので注意。

JISB9960-1 6.2.2項には断路器等が扉インターロックされている場合等、盤内部に設置する機器でリセットや調整を必要とする機器の周囲はIP2XまたはIPXXB (12.5mm試験指)で保護するように規定されています。同様にその他の盤扉の内部にある露出充電部が人に触れる恐れのあるときは直接接触に対して、少なくともIP1XまたはIPXXA( IEC60529; >50mm球体)で保護するようにと規定されています。これには誤解があり混乱の原因となっています。NFPA79原文ではこの解釈が明解になっています。

NFPA79-2012版 6.2.3.3項には明解に盤扉の背面に取付の機器の露出充電部については、AC50V, DC60V以上で動作する機器では50mm(2インチ)直径の検査球が充電部に接触しない構造であることと規定しています。確認しますとEN60204-1でも考え方はNFPA79と同じです。

従って、JISB9960-1は設計した経験のない人が翻訳したものと思われます。その他の部分でも同じような部分があるかもしれません。解釈不明の場合は注意して下さい。

 盤内の露出充電部の感電保護に対する原則は第一に露出充電部がないこと。従ってどのように盤内に手を突っ込んでも充電部に接触して感電はしない本質絶縁構造とすることです。それができない場合、第二に例えば教示運転を含む運転中にリセットや調整・調節あるいは交換を要する機器があるものについてはその機器や機器の周囲はIP2XまたはIPXXB (Finger保護)で保護することです。 第三に扉の背面に取付けた機器について、第二の要求がない場合にはIP1X またはIPXXAで保護できることです。

この盤扉背面に取付ける機器に関する感電保護はBack of Hand保護とも言われており、10年ほど前までは扉に取付けることのできる唯一の操作機器や計測機器等について、IP2XまたはIPXXBに対応するものが無かったためにこの規定がありました。しかし、現在はほとんどの制御機器や計測機器はIP2Xに対応しているため問題はないですが、特に計測機器についてはまだ対応していない特殊な機器があるので、この点は理解しておくが必要があります。

以上

2012.3.25

■ 電気技術者のための解説セミナーのご案内

来る6月8日の大阪地区と6月15日の東京地区の二ヶ所にて米国国家規格ANSI/NFPA79-2012版の重要ポイントについて解説セミナーを開催しますので、この機会に是非とも電気技術者はもとより新入社員の皆様方にご案内申し上げます。

詳細についてはここをクリックして案内書をご覧下さい。

以上

2012.3.20

■ 北米向け表示灯のランプテスト回路の要求について。

先日、表示灯のランプテスト回路は全てのランプに適用すべきなのかとの問合せがありました。

NFPA79-2012版で追加された10.3.1.1項によると、「警告(WARNING/CAUTION:黄色、琥珀色ランプ)や危険(DANGER:赤色ランプ)を表示する表示灯回路にはそれらの回路が正常に動作することを確認する装置(facilities)を備えること。」と規定されていますので、全てのランプに適用するのではなく警告、危険表示のランプにはランプテスト回路を設ける必要があります。従って、安全に関わる回路にはランプテスト回路が可能な3端子用の表示灯を選定する必要があります。然しながら、表示灯回路の動向としては規模にもよりますがメンテナンス等を考慮して、全ての表示灯にランプテスト回路を装備する方向にあるようです。

以上

2012.3.11

■ 機械安全のシンポジュウムで感じたこと。 3.11_機械安全に関わる非常事態宣言。新入社員であるエンジニアの卵はアジアの若い技術者との競争に負けない努力が求められます。

先日、3月5日東京で開催された日本機械工業会主催による機械安全のシンポジュウムに参加しました。広い会場は満席の状態で大手企業数社の機械安全に関する対応法や向殿教授の司会によるパネルディスカッションによって国内企業の対応すべき問題点が浮き彫りにされました。参加して特に強い印象を受けたことは、現在の国内企業が国際販売競争の激しい状況の中で海外の、特に昔の日本の勢いに似た若いアジア企業の国際安全規格に対応した機械装置の販売競争の参戦にあって、多くの国内企業はRAの実施や機械安全の設計への国際安全規格の対応が遅れをとっている状況にあると指摘されていたことです。これはものづくり日本の十八番が機械安全のボトムネックによってその力が発揮できないのではと心配するほどの危機意識をもちました。

私も産業機械の国際展示会で気がつくことですが、非常停止機能の設計についてEMOやESTOPの使い方に疑問のある国内企業がちらほらあって、海外メーカの安全に関わる設計との間に差を感じることがあります。機械の電気安全への対応についても同様で、現在JISB9960-1規格はIEC60204-1等に整合化されていますが、国内では一部の企業ではありますが従来からの社内規格の伝承等が妨げの一因となっているのか、国際安全規格への対応が遅れていることは大変不幸なことであります。このようなときに国際競争に曝されることは国内企業の抱える深刻な問題の一つであると強く感じました。

 国際市場は運転者の安全意識に多くを頼っている機械安全が初期費用で判断されるコスト優先の考え方から、本当の意味での安全優先、つまり機械の本質安全設計への対応コストを含めるリスクある機械の全寿命期間に渡る全損失コストとの比較をするような新たな考え方へと変遷しています。この最新の流れでもある機械のライフサイクルコスティングIEC60300-3-3の考え方に立って判断する機械の安全コスト意識となってきています。

 現在、中国製や韓国製のアジア製品はもとより機械装置までも輸入するような状況にあって国内企業は経営的にも厳しい立場にあります。将来を考えるならば会社のリーダーはこのような切迫した状況で、遅れずに直ちに頭を90度切り替えて国際安全規格への対応、すなわち機械安全を以って競争力とする方向にハンドルを切ることが求められます。少なくとも今後、特に国内企業の新入社員であるエンジニアの卵は新しい国際安全規格を取り入れようとしているアジアの若い技術者との競争に負けない努力が求められます。

以上

2012.2.10

■ 新たに改訂された産業機械の電気規格NFPA79-2012版解説セミナーの開催について

いつも弊社ホームページを閲覧頂き有難うございます。

弊社HPをご利用されている皆様からNFPA79やUL508Aについての問い合わせが多々寄せられていますが、弊社HP上での情報提供では限度があり充分なものとなっておりません。

この度は2011年の夏に改訂された米国の国家規格ANSI/NFPA79による設計の重要なポイントを含め、イラストを活用したわかりやすいNFPA79-2012版の解説セミナーを来る6月8日(大阪)と6月15日(東京)の2か所で開催することとになりました。この機会に米国向け電気制御盤の設計に携わっておられるエンジニアの皆様または新入社員のエンジニアの皆様には是非とも参加下さいますようご案内申し上げます。詳細は追って本ホームページにてお知らせいたします。

 なお、今回のセミナーは過去に開催された参加者のご意見を考慮し、特に重要なポイントについての解説を含めた内容となります。また、弊社登録会員の皆様には特別にご希望やお知りになりたい解説のテーマ等がありましたら、次回開催されるセミナー内容の参考とさせて頂きますので3月21日(水曜日)まで募集いたします。弊社メールinfo@almak-japan.com 宛へ送付ください。

以上


2012.2.1

■ 北米向け制御回路の設計について。

制御回路は電源過電流保護機器(MCCB/ヒューズ等)の二次側から分岐して制御電源を通常供給しますが、制御トランスを設置する場合と、設置しない場合があります。それぞれの制御回路を安全に機能させるため制御回路の短絡・過負荷保護の対応は重要であり、その過電流保護機器の定格や制御機器接点の定格および電線サイズの選定はエンジニアにとって大仕事であり神経を使い時間を費やす作業となっています。ただし、先輩からの技術伝承に重点が置かれているためなのか、制御回路に於いても国際規格(現JISB9960はIECに修正付で整合化されている)による機能安全を意識して設計しているとは思えない設計を多々見られますので注意する必要があります。

産業用機械装置の場合、制御回路については条件付ですが電源トランスを設置しない方法もありますが、多くは制御回路に電源トランスを設置して、その一次側と二次側に過電流保護を装備し、それぞれの回路を保護する設計となります。なお、一次側だけに過電流保護機器を設置し二次側に設置しない方法がありますが、これについてはまた次回の機会とします。

 
制御トランスの二次側に過電流保護機器を設置する場合、制御回路の機能安全を考慮しているでしょうか。一つのポイントはトランスの0V端子を装置接地保護ボンディング回路に接続することであり、それは機能接地または機能ボンディングとも言われていますが、その接地の理由は回路に絶縁不良が生じたときにその故障回路を保護ボンディング回路を介して地絡させて、その回路の過電流保護機器によって安全確実に回路を遮断することにあります。もう一つは制御回路の機器の接点溶着を防ぐことであり、そのために制御機器の接点容量を考慮した過電流保護機器と電線サイズの選定が重要となります。

 
過電流保護機器を選定する場合、設計で使用する制御機器の接点には様々な接点容量が混在するため、これらを分類するためにも神経と時間を消費することになります。

NFPA79(NFPA70 450.3参照)では制御トランスの二次側の過電流保護機器の個数が6個と制限されており注意が必要です。(UL508Aでは過電流保護機器の数量は制限されていませんが、その過電流保護機器の合計電流値がトランス二次側の定格電流値を越えないことを規定しています。)

 
例えば、単相制御トランス 1500VA 480/120V、二次側定格12.5Aの場合、この制御回路には接点溶着を考慮した各種選定の過電流保護機器が数個選定され、その合計電流値が例えば20Aとなった場合、制御トランスの二次側に最大15A(表450.3(B)より12.5 A x 125%)の過電流保護機器をすでに数個設置した過電流保護機器の上位に追加で設置することになります。何故ならば、過電流保護機器の合計電流値20Aはトランス二次側の定格電流値を保護できないためです。また、それぞれの電線サイズも地絡電流等を考慮する必要がありますので注意が必要です。

以上


2011.11.9

■ 北米向け機械装置で設計される接地電線のサイズについて。

以前にも情報提供していますが、再度具体的な接地電線サイズの選定について提供いたします。感電保護に関して国内の電気設備(装置)の接地工事では電気設備基準に従いA,B,C,D種に応じた最低限要求される接地電線サイズが規定されています。低圧電路についてはC(300V超),D(300V以下)種接地工事となりますが、通常設置の機械器具の接地電線サイズは直径1.6mm以上が要求されています。従って、国内の低圧電路の接地工事については2sq以上の接地電線サイズが多く使用されることになりますが、欧米向けに機械装置を輸出する場合には、接地保護に関する考え方が異なり、接地電線サイズが異なりますので注意が必要です。

UL508A 14章、15章およびNFPA79の6.3項に従い電気機械装置は装置接地(保護ボンディング)回路を構成して感電に対する保護を行っています。すなわち制御盤のエンクロージャや機械装置構造部および負荷機器のシャーシ等の全ての露出金属部分は0.1オーム以下で装置接地(保護ボンディング)回路に接続され、漏電等の際にその故障電流が装置接地(保護ボンディング)回路を介して、電源トランスの中性点にボンディング接続されている電源引込の接地端子(PE)に戻され感電事故から守られるシステムとなっています。

同時に漏電から更に進み絶縁破壊に発展した地絡事故による大きな地絡電流の発生はその故障回路の過電流保護機器(ブレーカ等)により自動的に事故回路が遮断され、その機械装置が保護されるようになっています。すなわち、微小電流の感電事故に対しては装置接地(保護ボンディング)回路によって保護され、大きな地絡電流による機械装置の破壊等に対しては事故回路に設置の過電流保護機器の遮断によって保護されています。

上述に従う装置接地(保護ボンディング)回路に接続される接地電線サイズの選定はNFPA79の8.2項(UL508Aの15.2項参照)の表8.2.2.3による故障回路に配置の過電流保護機器(ブレーカ等)の定格電流値によって決まり、規定の電線サイズが要求されています。

例えば、20A定格ブレーカの負荷回路については12AWG以上の接地電線サイズが要求され、100A定格ブレーカの負荷回路については8AWG以上の接地電線サイズが求められます。同様に制御盤扉面に配線する制御回路の接地電線サイズはこの回路の過電流保護機器の定格電流値により決定されます。すなわち制御回路の10A定格サーキットプロテクタの場合は16AWG以上の可とう電線が選定され、扉と装置接地(保護ボンディング)回路の間を渡る接地電線サイズが決まることになります。

この接地電線サイズの選定方法からも、全ての動力および制御回路の分岐回路には原則その電線を保護できる過電流保護機器を設置することが求められており、複数の分岐回路をまとめて保護する過電流保護機器の設置は原則認められないことが分かります。

以上


2011.10.24

■ 盤内や盤面に設置するコンセント回路に要求されること。

最近、制御盤に露出型コンセントを設置した機械装置を良く見かける機会がありますが、少し気づいたことがありますのでお知らせします。北米向けに機械を輸出する場合、制御盤のコンセント回路はNFPA79やUL508A規格に適合することが求められていますが、コンセント回路の要求がNFPA79-2002版からNFPA79-2012版の間に安全向上のため改訂されているにもかかわらず、従来の規格のままで回路設計が行われていることが多いようなので注意が必要です。

機械装置に必要な機器に専用の付属コンセントを盤面に設置する場合、または使用目的が特定されていない保守・検査時に使用する盤内や盤面に設置する場合のコンセント回路にはUL498のGFCI(4mA-6mAトリップ)やUL943のGFCI付コンセントで回路保護するように規定されており、30mAトリップの漏電ブレーカでは対応したことにはなりませんので注意が必要です。

以上の国内販売会社の問合せが多いので、以下の会社を紹介します。

ムーラー電機株式会社
〒411-0801 静岡県三島市谷田61-1
tel  : 055-972-1370
fax : 055-972-3840
HideoKodama@eaton.com

以上


2011.9.26

■ NFPA79-2012版の主な改訂箇所について

1) 9.2.7項のCableless Control Function(無線制御機能)の規定がIEC60204-1に準じて拡大さ  れ、特に視覚的あるいは聴覚的に動作状態や不動作状態を表示する方法を備えることが追加された。

 
2) 6章のWorkplace作業場に要求されるアークフラッシュと蓄電エネルギーの危険に対して16章の警告マークが求められ、電気的危険源に対する保護は従来直接接触と間接接触に対する保護を要求していたが、アークフラッシュおよび蓄電エネルギ^-(コンデンサ蓄電:50V/1min以下)に対する保護と警告表示の要求が追加された。

 
3)   サーボモーター保護の19章に追加改訂があり、特にサーボドライブの入力側コンタクタや電線容量については入力電流 x 1.15倍(従来は125%)以上に改訂された。ドライブからモーターへの電線容量についてもモーターのFLC x 1.15倍(従来は125%)以上あるいはメーカー仕様等に従うよう訂正された。また、動力電線がシールド電線ケーブルでない場合は他の回路と隔離し交差しないこと。

従来の電線の許容電流は75℃欄の定格が使用されていたが、90℃欄の定格が追加され過電流保護機器等の選定に変更が生じることになった。また、モーターの過電流保護機器の選定について追加改訂された。

 
4) AWM電線の使用が可能となりましたが12.9.2項の条件付ですので注意が必要です。

以上

2011.8.16

■ 北米で要求される接地電線サイズの選定法について

国内の感電保護対策は通常、電源に漏電遮断器を設置して通常30mAの感度電流で遮断して保護する方法が採られています。しかし、北米での感電保護は5mA+-1mAの4-6mAの感度電流で保護することになっており、電源に4-6mA感度の漏電遮断器を設置することはインバータ等を使用する装置については漏れ電流により困難を要します。欧米では感電保護対策としては装置接地保護ボンディング回路を構成して感電事故を防ぐ対策が採られているため接地電線サイズの選定は重要なポイントとなります。

欧米での間接接触による感電保護は装置接地保護ボンディング回路を構成することで、絶縁不良等で生じた関連する回路の分岐回路過電流保護機器(MCCB、ヒューズ等)を原則その地絡電流で遮断する方法が採用されています。

従って、接地電線サイズはその推定される地絡電流を分岐回路過電流遮断器が安全に遮断できるまで耐えられる接地電線サイズが要求されています。

NFPA79の表8.2.2.3では分岐回路過電流保護機器の定格電流に対応した最小の要求される接地電線サイズが記載されおり、それに従う必要があります。接地電線サイズは動力回路も制御回路も同様な方法で選定されますのでご確認下さい。

なお、来る9月16日(金)東京にてNFPA79の解説セミナーを開催しますので、米国向けに産業機械を開発、設計、製造されている電気エンジニアの皆さんには是非一度参加されることをお勧めいたします。詳細は当HPの「お知らせ」を参照下さい。

以上


2011.8.2

■ 新しく改訂されるNFPA79-2012版の電気危険源からの保護について

NFPA79-2007版では電気的危険源について、直接接触に対する保護、絶縁劣化等で生じる間接接触に対する保護、PELVの使用による保護対応、および残留電圧に対する保護を考慮することによって感電(電気的危険)を防ぐことが規定されていました。ただし、改訂されるNFPA79-2012版では前述に追加して6.6項にはアークフラッシュ(Arc Flash)に対する保護が新たに規定されています。

NFPA79-2012版 6.6項のArc Flash に対する保護は安全に関する警告標識について、新たに追加訂正された16.2.3項に従って表示することが規定されました。すなわち産業用機械の制御盤や電源開閉器BOX等には運転員等の有資格者のために感電やアークフラッシュの危険源の在るところについて規定に従った方法で表示することが求められます。追加の16.2.3.1項にはその有資格者が機械装置の検査、点検、調整等の前にはその警告標識が容易に認識できる場所で明瞭に表示されるように規定しています。また16.2.3.2項には操作BOXや操作スイッチBOXあるいは位置センサー等の小さく表示のできないものについては表示しなくても良いとも規定されています。アークフラッシュの警告表示の記入法についてはNFPA 70E (Electrical Safety in the Workplace)に詳細が記載されており、表130.7(C)(9)のHazard/Risk Categoryのレベルによって警告標識の記載内容が規定されています。

なお、来る9月16日(金)東京にてNFPA79の解説セミナーを開催しますので、米国向けに産業機械を開発、設計、製造されている電気エンジニアの皆さんには是非一度参加されることをお勧めいたします。詳細は当HPの「お知らせ」を参照下さい。

以上


2011.7.10

■ 電源開閉器の誤った配置と配線法について

最近、北米向けに設計された制御盤で気になる点がありました。電源開閉器等はNFPA79の 5.1.6項に従い可能な限りエンクロージャの上部に接近して規定の配線処理スペースを確保して配置することが求められており、またその電源側の配線は負荷側の内部配線と交差や接触をしないように隔離して配線することが求められています。特にエンクロージャの下部に電源引込端子台を設けて、そこを中継して電源開閉器に配線する場合には注意が必要です。

規定により電源開閉器の電源側に接続する電源引込ケーブルや電線は負荷側の内部電線と接触せずに隔離することが求められていますが、特にエンクロージャの上部ではなく中間に配置する場合はその電源開閉器の電源側電線を規定の配線処理スペースで確保して鋼板製や絶縁材のバリヤ等を配置し、内部配線と隔離する設計が求められますので注意が必要です。なお、ある機器メーカには電源開閉器等の電源側と負荷側を自由に電源引込電線の接続を変えることのできるものがあり、経験上この両方向から接続できるタイプの電源開閉器等を使用することを内部配線との隔離を考慮する場合には設計が容易となりますので推奨いたします。

以上


2011.6.5

■ 米国における機械のリスクアセスメントの重要性

米国では労働安全衛生局OSHAの指導により機械のリスクアセスメントを実施することが求められており、ユーザーの要望により機械メーカはこれを無視することができなくなっています。このリスクアセスメントを実施して、そのリスクの低減を図るということは安全対策(あるいは人によっては危険対策とも言う)をすることであり、そのために費用が掛かるというのは当然のことであります。機械メーカはこの安全対策を含めた機械の国際的な販売競争をすることになります。然しながら、そのリスク低減を図る安全対策費用の上限は高額となる可能性がありますが闇雲に費用をかけることができず、機械メーカはこのリスク低減のためにその対費用効果の分析と評価によってある上限を設定する必要があります。これらの実施は機械メーカのリスクに対処する姿勢と開発設計能力に影響され、ユーザーの要望と適切な販売価格に反映することは言うまでもありません。

最初に機械メーカはユーザーとの共同作業によりユーザーから見た機械の安全性、つまり許容リスクを設定するためのリスクアセスメントを実施する必要があります。それによって始めて機械メーカはその設定された許容リスクに対処するための安全対策経費の上限を定めることができます。この安全対策経費の上限は直接経費すなわち機械が人身事故を起こした場合の保険料を含む賠償金額と間接経費すなわち風評による会社のマイナスイメージ等による販売売上金額の減少等から算出されます。(事故を起こすと保険料が高騰しますので機械のオーナーは安全な機械を選択する傾向があります。)同時に許容リスクについては他社競合製品の安全対策がどのようなものであるか等を市場調査し、機械の安全性について他社競合製品とはどのような違いがあるのか、またその価格はどのような差異があるのかを調査することが必要です。従って、リスクアセスメントによって危険源を可能な限り少なくした本質的な機械や電気設計の差異は追加的な安全対策経費の大小に影響して安全対策経費の上限を下げることに貢献し、結果的に他社競合製品との販売競争力を持つことになります。このリスクアセスメントとリスク低減を実施する姿勢は機械メーカが国際競争で生き残るためになくてはならないTOOLとなっています。

以上

2011.5.19

■ 北米向け制御盤の電気制御回路は適切なリスクレベルに従って設計していますか。

北米向けの機械装置の制御盤は国家規格ANSI/NFPA79に従って設計することが最低限求められていますが、多くの国内の機械メーカさんは依然として国内仕様にUL認定品を使用するのだけの設計で対応することがあるようです。米国ではOSHA(労働安全衛生管理局)による法律によって安全な機械を設計するように指導されており、それに対応していない場合は運転停止等の罰則が科せられます。当然、その機械によって怪我などが生じた場合、高い確立でPL法による製造者責任が適用されることになります。その対応はどのようにすべきなのでしょうか。

米国のPL法やOSHAの法律に対応するには最低限の認められた機械安全を確保する必要があります。安全な産業機械を設計するためにはNFPA79の9.4.1項とそのAnnex Iに従って、米国で認められたガイドラインANSI B11.TR3(リスクアセスメントとリスク低減)を実施する必要があります。このリスクアセスメントは機械設計者やユーザーが実施できるようにしたものであり、外部のリスクアセスメントの専門家がするようなものではありませんので、ANSIの以下のホームページからそのガイドラインを入手することができます。このリスクアセスメントはリスク・マトリックス方式でリスクレベルを決定し、それに応じた安全に関わる回路について電気制御回路が決定されるようになります。従って、電気設計者は機械設計者やユーザの協力なしに電気回路の設計をすることができません。機械メーカさんはガイドラインのAnnex D(実例のリスクアセスメントリポート)を参考にして、Annex A(危険源の箇所例)とAnnex B(作業リスクアセスメントフォーム)を使用して一度リスクアセスメントを試みて機械装置の危険源のリスクレベルを決定してみたら如何でしょうか。難しくはないと思います。

 
http://webstore.ansi.org/Cart.aspx?Action=UpdateCart&AddSKU=B11.TR3-2000

また、日本機械工業連合会による平成22年発行の「米国における機械安全推進方策動向に関する調査報告」では最後にリスクアセスメントしていない機械メーカはこの世界の動向に遅れ、国際競争力の低下につながり死活問題になると報告しています。

以上

■ 北米規格における分岐配線の「Tap rule」規定について

フィーダー幹線から複数回路に分岐する場合、NFPA70, NFPA79に従い分岐する接続ポイントには過電流保護機器(ブレーカやフューズ等)を設置することが「Tap rule」である10ft、25ftルール等によって規定されています。すなわちこの規定は幹線から細い電線で分岐する配線に適用されます。複数回路に分岐する場合の配線方法として、日本国内では分岐ブレーカの電源側の端子部を中継して渡り配線をするのが当たり前のようになっていますが、特に複数の分岐ブレーカに各種の定格電流値が混在している場合には「Tapping a Tap」の禁止規定に抵触する恐れがありますので注意が必要です。

幹線から細い電線で分岐することは条件付で認められますが、幹線から分岐した電線と接続する他の分岐ブレーカの電源側端子部を中継して更に分岐する配線方法「Tapping a Tap」は原則認められていません。ただし、この規定に関しては条件付ですが、分岐回路に配線される全ての電線や機器が短絡電流や過負荷電流および熱、機械的等に対して対応されているならば可能の場合もあります。しかし、実際に設計する場合これらの条件を満たすことは多々確認すべきポイントがあり困難を要します。

この対処法としては国内でも入手できるUL認定品の電力用分岐端子台や分岐ブスバーシステムを配置すること等で対応できますが、当然10ftルールに従う必要があります。また他の方法としては幹線を保護する主幹の過電流保護機器(ブレーカ等)の負荷側の端子部へ直接にスプレッド端子部品(Spread Terminal)を取付け、蛸足配線のように見栄えは良くないですが負荷電流合算の太い電線を必要とせず、負荷電流に適応した電線サイズで複数の分岐回路ブレーカに直接配線する方法があります。

なお、10ftルールの配線には分岐電線の電線容量がその電源側に配置した主幹ブレーカの定格電流値の10%以上を要求と、加えて分岐点から分岐ブレーカまで3m以下であること。さらに電線が保護されている等の条件がありますのでNFPA70、NFPA79をご確認下さい。

以上

■ 北米向けSCCR値の表示について

2011年2月24日

最近、制御盤の定格銘板に記載されるSCCR値の表示要求が多くなってきています。特にSCCR値が5kA以上を求められている場合は部品選定に注意が必要です。

特に主回路で使用される端子台を含めた制御部品やサーキットブレーカ、コンタクタ、サーマルリレーなどのモータースタータを含めた選定に注意が必要です。SCCR値が5kA以上の要求のある場合はコンタクタ(マグネットスイッチ)の選定に際してサーキットブレーカと短絡協調させて、その組み合せがメーカによって証明されるか、あるいはUL認定されている必要があります。従って、サーキットブレーカとコンタクタのメーカが異なる場合は注意が必要です。

更に注意すべきことはサーキットブレーカと負荷端子台との短絡協調が要求されていることであり、その組合せもSCCR値が求められている値以上であることをUL認定され、証明する必要があります。国内の多くの端子台メーカはサーキットブレーカの組合せ対応が追いついておらず、一部の端子メーカのみが短絡協調の対応をしている状態です。

また、設計の盲点として電線サイズの選定がありますが、原則はNFPA79の表7.2.10.4に従ってその回路を短絡保護するサーキットブレーカやヒューズで保護できる電線サイズが求められています。同様に装置接地保護電線サイズも表8.2.2.3に従って選定するように規定されていますので参照ください。なお、弊社はその組合せの部品選定サービスをしていますのでご希望の場合はご連絡ください。

以上

011年1月19日

■ NFPA79における制御回路の電線色識別について

NFPA79規格によると制御回路の過電流保護機器の負荷側はAC回路では非接地相で赤色と規定され、接地側の電線は白色または灰色、あるいは緑、青、オレンジ以外の電線色に3本の白色ストライプ入り電線と規定されています。ただし、UL508AあるいはSEMI規格では異なる部分がありますのでご確認下さい。

UL508A規格では制御回路が機械装置に引き込む電源供給電圧と同じ電圧の場合は非接地相について動力回路と同じ黒色となりますが、制御回路が制御トランス等によって電源供給電圧よりも低い電圧の場合に赤色となります。

すなわち、電源電圧がAC200Vの場合であって制御回路も同じAC200Vの電圧とする場合にはその非接地側の電線色は赤色ではなく黒色となるので注意が必要です。

 
SEMI規格ではSEMI S2により電気設計は国際規格、国内規格等の安全要求に従うことが求められており、さらにSEMI S22の電気設計の安全ガイドラインでは接地側回路あるいは保護接地回路についてANSI/NFPA79の国家規格に従うことが規定されています。

従って、米国向けについてはNFPA79規格に適合する必要がありますが、最終的には顧客が求める規格あるいは仕様に対応する必要があります。

以上

2011年1月7日

■ Emergency Switching Off (EMO) 非常停止OFFスイッチの使用法について(再確認)

先日も客先に訪問してエンジニアと停止回路について話す機会がありましたが、時々話がかみ合わないことがあります。特に停止カテゴリ0の場合に非常停止(ESTOP)にするか、あるいは非常停止OFF(EMO)にするかを決める際に起きます。NFPA79の 9.2.5.4項に規定されているEMOを使用する場合には、ESTOPと異なる条件があるので注意をする必要があります。なお、SEMI規格はNFPA79から派生しているため詳細の部分で追加規定されているものであり使用の原則は同じであります。

NFPA79の 9.2.5.4項に規定されているEMOの使用に際して、ESTOPと異なるところは簡単に言えばEMOは感電等の事故等を考慮して機械装置の供給電源を遮断することが主目的であり、それに伴いEMOの操作部は破砕できる透明ガラス等で保護され、“EMO“の文字が表示されていることであります。ただし、電源開閉器が赤/黄色の外部操作ハンドルの場合はEMOの表示は必要ありません。なお、SEMIではEMOの透明ガラスとその非常停止ボタン操作部との間隔距離等が規定されていたり、あるいは危険電圧等による設置の規定があります。

 従って、EMOの非常停止スイッチを設置しながら供給電源を遮断(OFF)せず、回路に充電されている部分があるのは大変危険な状態になりますので注意が必要です。通常の電気回路では電源開閉器の遮断を不足電圧トリップにて対応することが多いようです。

以上



■ 去る11月17日、アルマック・ジャパンは株式会社三笠製作所と業務提携しました。

11月17日 弊社アルマック・ジャパンは16日付の日刊工業新聞に掲載されたように和やかな雰囲気の中で株式会社三笠製作所と業務提携しました。機械メーカの皆さんには是非とも、新感覚の風を盤メーカ界にもたらす姿をごらん頂きたいと思います。中国にも盤製作の拠点工場をもつ積極的な会社です。三笠製作所のHPをご覧下さい、社長の人柄が顕れているHPです。http://www.mikasa-med.co.jp/

本文「三笠製作所(愛知県扶桑町、石田繁樹社長は17日に産業用機械制御盤の設計・製造でアルマック・ジャパン(奈良県安堵町)と業務提携する。アルマックが北米と欧州向け制御盤の設計を担当する。営業活動も共同で展開する。三笠は2014年3月期の北米・欧州向け売上高を11年3月期比66%増の1億5000万円に伸ばす。

北米と欧州に出荷する産業機械の制御盤はそれぞれの電気規格や制御盤の規格などに適合させる必要がある。三笠は北米と欧州向け産業用機械の制御盤を受注していたが、顧客の品質向上ニーズに対応するため、高度な設計力が必要だった。アルマックは制御盤の設計が主力で北米と欧州の規格に対応した設計を得意にしている。提携によって三笠はアルマックの設計ノウハウを活用できアルマックは受注増につながる。両社は11年1月をめどに海外規格に対応した制御盤に関するセミナーを開き、共同の営業活動を本格派する。」

以上


■ 第25回 日本国際工作機械見本市 JIMTOF 2010 に出展しました。

弊社は来る10月28日(木)から11月2日(火)まで開催された JIMTOF 2010 に出展致しました。多くの皆様が弊社のブースに訪問して頂き感謝しております。本当に有難うございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。

■ NFPA79-2007年版 規格の解説出張セミナーの開催。

昨年2009年11月に米国ニューヨークで開催されたNFPA79主催のセミナーに出席した  際のその内容について出張解説致します。

小グループセミナーで実施する出張解説の案内書をご希望の方、またはご質問のある方は以下のe-mail アドレスにてお問い合わせ下さい。
info@almak-japan.com



■ NFPA79-2007年版 産業機械の電気安全規格のトピックス

Nov 7, 2010

JIMTOF2010に参加して(感想)

平成22年3月発行の日本機械工業連合会の米国市場に関する調査報告書を読む機会がありましたが、今回JIMTOF2010に参加して私の得ている情報とも大きな差異がありませんでしたので、輸出機械メーカさんや関連する企業の皆さんに是非お伝えしなければと強く感じました。

米国では機械装置の使用についてOSHAの施行令によって雇用主(ユーザ)に対し労働安全の確保を義務付けています。またOSHAや労働者の要求により機械安全に対する意識が高まっており、ユーザ自ら既設機械や新規購入機械についてリスクアセスメントを実施し、それらの安全を確保している会社も有るほどです。何故なら機械に関わる事故が発生した場合にはOSHA(米国労働安全衛生庁)の監査が入り、罰金が課せられ、また会社名を公表されるシステムになっているからです。また事故により生産性の低下や保険料が高騰するのを避けるためにユーザは機械が安全に配慮されているか否かを購入の必須条件としています。そのような理由で中小企業もリスクのある機械を購入しない方向にありますが、大企業ではGM(General manager)に続く大きな権限を持ったEH&S(Environment, Health & Safety)マネージャ(労働安全衛生マネージャ)が選任され、機械を購入する際にはリスク査定をしてリスクが残っているものは購入しないようになっています。ある米国のユーザは日本製の機械を購入するときに規格ANSI/NFPA79(国際規格に同じ)に適合する非常停止スイッチとなっていなかったため購入をためらった話しを聞きました。

先日、JIMTOF2010に出展した際に多くの機械メーカさんの機械装置を拝見させて頂きました。日本の機械メーカさんの展示製品には国内向けの製品を転用したものもあるかもしれませんが、国際規格に適合する非常停止スイッチとなっていない機械装置を発見しました。台湾や中国の機械装置のすべての展示品を見たわけでありませんが、それら非常停止スイッチについて問題がなかったように思います。今後の工作機械産業界やものづくり国として、日本は国際的な競争の中にあって機械安全に関する国際規格に対応が遅れるのではないかと危惧しています。ものづくり国、日本の将来のために是非とも機械安全を進めてほしいと願っています。そのためには機械メーカさん、特にその前線に立つ開発設計技術者の皆さんはリスクアセスメントやリスクマネジメントについて早急にマスターし、機械の開発設計に臨んで頂きたいと望んでおります。そのために微力ですが弊社の経験を利用して頂ければ幸いと考えております。以

Aug 3, 2010

AWM電線の使用について、NFPA79-2011版では改訂が予定されています。(先行情報)

原則はAWM電線を含めて、すべての電線は使用環境に適合したものを使用すべきということで変わっておらず、新たにこの原則に従い追加規定(12.9章)された詳細条項に従うことによってAWM電線を使用することが可能となります。

従来の規定では認定された機器の一部としてAWM電線を使用することが可能でしたが、新たに機械装置メーカの取説により指定されたAWM電線を使用することが認められことになります。

この機械装置メーカにて対応し、AWM電線の使用が認められるためには新たな追加規定に合致する必要があります。この追加規定は通常の配線で要求されている従来規定の12.2項から12.6項が適用されたことであり、さらに使用するAWM電線ケーブルが使用環境で要求される耐炎性、耐油性、耐化学特性および適切な電線ケーブル構造や電圧定格等を備え、それらが電線ケーブルにマークされていること等が求められています。このAWM電線ケーブル上のマークは同様に技術図書にもその特性を記載することが求められています。

 これら追加規定に合致した場合にAWM電線を使用することができますが、機械装置メーカさんにとってはAWM電線の使用に際しては取説を詳細に作成し、使用条件の明確化を図る必要があります。またAWM電線を使用する設計者側としてはその電線がどれだけ多くの環境に適合する電線特性を持つかということは一つの大きな選定の条件になるものと推測されます。以上の内容はまだ最終決定されていませんのでご了承ください。

以上

Jun 28, 2010

制御回路の接点溶着保護について

制御回路は異常動作の主な原因となる短絡や地絡電流あるいは過電流によって生じる接点溶着や焼損から守られることが求められます。その対処法は発生した過電流が制御機器やその接点、および電線等の許容電流を越える前にその回路を安全に遮断することです。従って、制御回路には接点溶着等を防ぐため確実に回路を遮断する過電流保護機器の設置が求められます(7.2.1.1項)。ただし、防火用ポンプ等の制御回路には過電流保護機器の設置を省くことのできる等の例外があります。

制御機器の接点はVA(W)や電流表示あるいはPilot Duty表示がありますので、これらで判断して過電流がその定格値を超えないように過電流保護機器を選定し、その回路が安全に遮断され保護することが求められます。制御機器の接点はPilot duty 表示があり、接点容量の大きい順にHeavy duty, Standard duty, Light duty に分けられますが、同様にRating corde として交流制御回路では大きい順にA600、D600、C600,D300,E150等で接点容量が表示されています。(UL508A 表45.2を参照)

 従って過電流保護機器の定格電流は制御回路の最小の接点容量を保護できるように選定することであり、制御回路の過電流保護機器の配置としては接点容量の小さい回路(例えば1A, 3A等)や大きい回路(6A, 10A等)を区別・分岐して効果的に設計することが求められます。

以上。


May 17, 2010

NFPA79の制御回路設計における重要ポイントについて

制御回路を接地回路あるいは非接地回路で対応することについては特に問題の生じるものでなく、通常あまり意識せずに設計してしまいます。しかし具体的な設計となると度々、制御回路で要求される重要なポイントへの対応が欠落し、その回路の目的が動作のみを最優先とした制御回路に遭遇することがあります。制御回路の設計で最も重要なそのポイントは何か。それを今一度再確認する必要があります。

接地回路あるいは非接地回路で重要なことは、制御機器や機械装置が異常動作をしないということです。それを防ぐためには実証され、確立された実績のある制御回路や制御機器を選択することが求められています。設計者の中にはあまりにも機器の動作のみに傾倒した設計が為され、この重要ポイントへの対応がおろそかになっている場合があり、その点を注意する必要があります。

その対処法としては接地式制御回路では第一に確実に機能接地(制御回路の電源で1線を装置接地(保護ボンディング)回路に直接接続すること)をすることが求められ、また非接地回路では地絡検出監視機器を装備することが求められます。この接地式制御回路において重要なポイントは接地側ラインをどのような状況にあっても遮断しないということです。すなわち、制御回路の接地側ラインには原則的に過電流保護機器や接点を挿入しないことが求められます。この接地は電線等の絶縁不良等による漏電や地絡による異常動作を防ぐ意味があります。従って通常の制御回路は例外を除き、接地するために制御電源トランスを装備することが求められ、同時に装置接地(保護ボンディング)回路の構成が求められます。第二に制御回路内で短絡や地絡あるいは過電流が流れても制御機器の接点が溶着しないことが求められます。この対処法については次回掲載と致します。

なお、来る6月18日(金)東京にて午後1:30より3時間のNFPA79に関する解説セミナーを開催しますので是非ご参加ください。まだ席が残っていますのでお問い合わせ下さい。以上の内容についても解り易く解説致します。弊社HPの「セミナーのご案内」を参照下さい。

以上

May 5, 2010

装置接地(保護ボンディング)回路の連続性について

機械装置の接地について度々誤解されている場面に遭遇しますので、再確認したいと思います。
特に、機械装置が複数台で構成されている場合、電源引込口の接地端子から他の複数装置への接地配線方法に問題が生じているようです。

 欧米での感電保護は漏電遮断器に頼らないため、直接接触に対する露出充電部の絶縁保護はもとより、充電回路の絶縁劣化による漏電で生ずる間接接触に対する感電事故から人体を保護し、また同時に地絡故障を検出するため要求される装置接地(保護ボンディング)回路は重要な意味を持つことになります。この装置接地(保護ボンディング)回路が完全に構成されていない場合、欧米では感電事故を防ぐことができず、重大な問題を生じる結果となりますので、電気技術者の皆さんはこの回路について完全に理解する必要があります。

 機械装置が北米現地で設置される場合、NFPA79の18.2項による装置接地(保護ボンディング)回路の連続性の試験が現地検査官AHJにより実施されます。それ程重要な回路となっています。

原則は8.2.3.1項により機械装置の全ての金属製の構造部分を接地電線・導体によって効果的に接続して装置接地(保護ボンディング)回路を構成することが規定されています。この構造部分は金属製の制御盤やモーターを含めた全ての構造部分を示しています。すなわち、たとえ全ての金属部分に漏電したとしても、そこへ人体の一部が接触しても感電しないことが求められています。

その対応策としてはそれら全ての金属製の制御盤やモーター等を含めた構造部分を互いに接地電線・導体で確実に接続し、その接地電線を最終的に電源トランスのY結線の中性点に接続して接地し、全ての接続された金属部分と対地間に危険な接触電圧を生じないようにしています。この装置接地(保護ボンディング)回路が完全に接続されている場合には間接接触による感電事故は発生しません。従って、IEC60204-1やNFPA79ではこの回路の電線色を他の回路の電線色と区別し、見分けられるように緑/黄色ストライプ電線を使用するように規定しています。この色の電線はどのような状況にあっても外すべきでないことを意味しています。

 一方我が国の電気設備基準では機械装置やモーターの金属製構造部分を300V以下の回路ではD接地の100Ω以下とし、300V以上の回路ではC接地の10Ω以下とするように規定されています。この国内設計の機械装置をそのまま米国に輸出し、仮に使用した状態で、もし漏電ブレーカが故障した場合には装置接地(保護ボンディング)回路の連続性が確保されておらず、またC,D接地工事をしていない状態では大変危険な状態を引き起こす可能性があります。

 NFPA79で規定されている接地電線の接続の方法としては8.2.3.2項のように交換可能な制御装置・機器、または取り外しや分解可能の全ての構造部分について、分解修理中や機器の交換中であっても装置接地(保護ボンディング)回路の連続性は中断されるようなことがあってはいけないということです。

 すなわち接地電線の渡り配線は厳禁であり、その接続端子部は機械装置の全寿命の間に錆などで接触不良を起こさず、接続よりはむしろ接合として考慮されるべきものと求められています。NFPA79-2002版の8.2.2.3.1項では金属製の構造部分が接地電線に要求される銅電線の断面積と電気的に等価であるならば、その構造部分を接地電線として使用することができました。しかし、NFPA79-2007版では8.2.2.3.1項が削除され、構造部分を接地電線として使用できなくなり、電源引込口の接地端子または接地ボンディングジャンパー導体を介した接地銅バーから各部の分解可能な金属製の構造部分または複数台の機械装置に接地電線で直接的に接続し、渡り配線は認められなくなりました。従って、電源引込口の接地端子(PE)から複数台で構成されている各金属製の構造部分や交換可能な機器に接地電線で直接接続することが求められていますのでご注意下さい。以上

追記:来る6月18日(金)東京にてNFPA79の解説セミナーを開催しますので、この機会にご参加下さ い。


Feb 26, 2010

ヒーター負荷の過電流保護機器の選定について

ヒーター負荷の定格電流が30Aの場合はその過電流保護機器の定格電流は7.2.11.1項(ヒーター負荷16.7A以上の過電流保護機器の定格電流値は150%以下を選定)に従い30Ax150%=45Aとなります。従ってNFPA79-2007によると30Aのヒーター負荷の過電流保護機器の定格電流値は45A以下を選定することになります。

ヒーター負荷の定格電流値が48Aの場合は7.2.11.2項により48Ax125%=60Aの過電流保護機器すなわち60A以下の選定となります。ただし、ヒーター機器の取説に保護機器の定格電流値が記載されている場合はその記載の定格値を優先することになります。最初にヒーターの取説をご確認下さい。

なお、UL508Aによるとヒーター負荷の過電流保護機器はその定格電流値の125%以下を選定することが規定されています。すなわち30x125%=37.5A以下となり、従ってUL規格に従う場合は過電流保護機器の定格電流値は35Aが選定されることになります。この電線ケーブルサイズを選定する際には過電流保護機器の定格電流値以上の電線容量を要求されていますので、コストダウン等を考慮するならば過電流保護機器の定格電流値の小さい方を選定することが推奨されます。

また、NFPA79-2007は最低限の守るべき安全規格であることを留意する必要があります。この電源を480VY/277Vから供給されているとするならば、ヒーター負荷の単相265Vac の過電流保護機器はUL489(スラッシュ定格電圧480VY/277V)の(1P-N極 35A)サーキットブレーカ等が選定されます。

以上

Jan 4, 2010

新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

昨年、米国で開催されたNFPA79とUL508Aのセミナーに参加しました。

2009年10月と11月に米国でNFPA79とUL508Aのセミナーが開催されました。弊社はそれら開催されたNFPA79とUL508Aのセミナーに参加しましたので、弊社HPに寄せられた質問内容等と合わせてその対処方法を順次紹介させて頂きます。

Aug 17

制御盤の扉を開放して機械装置の動作調整をしていませんか?

 AC 50V, DC 60V以上の電源を有する制御盤について、電源を遮断すること無しに機械装置の動きの調整をする場合には、訓練された技能者のみが扉インターロックを解除して制御盤の扉を開放し、機械装置の動きを調整することが認められています。(NFPA79 6.2.3.1項)

日本の機械装置メーカの殆どは機械装置の動作調整時に制御盤の扉を開放したままで盤内に設置した試験機器用コンセントと電子機器のD-sub, RJ45, USB, Ethernetなどのケーブルを外部のディスプレイや調整機器に接続して調整している場面に多々遭遇します。

 米国での最近の設計の安全に関する動向として、注目したことがありますのでお知らせします。NEC70Eが適用されるようになって、現場に設置された機械装置の制御盤の調整等の際にも取扱い技能者の安全を確保することが求められており、盤内PLCやデータ通信機器の調整も含めて、制御盤の扉を開放せずに機械装置の動きを調整できるような設計対応が求められています。

扉を開放して調整する場合には特にArc-Flash警告表示に従って保護具やグローブ等の防具を身につけることが要求されることもあり、調整作業の妨げになるケースが多くなっています。この問題を解決するために最近、扉を開放せずにNEMA/ULType12, 4, 4Xに対応したPanel Interface Connector (PIC)が使用されるようになっており、このコネクタは盤内に装備される試験機器用コンセントや電子機器のD-sub, RJ45, USB, Ethernetなどのコネクタを盤面に一体で取付けて外部と接続できるインターファイスコネクタユニットになっています。 米国に輸出される装置にはこの設計対応が今後必要となります。PICメーカ参照下さい http://www.automationdirect.com/

July 16

AWMケーブルの使用について(再確認)

AWMケーブルの使用については米国の盤メーカでの情報により、米国内でのインスペクタ(UL, AHJ何れか未確認)もこの点について最近確認することが多くなっているという話を耳にしました。

 この使用については以前にも情報をこのHPで提供していますが、再度確認します。
原則はNFPA79-2007版12.2.7.3項に従ってAWM Styleのケーブルを使用することができなくなりました。ただし、例外がありAWM電線であっても最終的にその電線を使用した制御盤や機械装置がListed認証されたものについてはAWM電線を使用できると規定されています。

 従って、こちらでも多々混乱しているところがありますがUL認証等を受けていない制御盤等については特に注意が必要となります。最近では電線メーカがAWM電線でもMTW認定を同時に受けた電線を販売するところが多くなっていますので、問題は解決されているようです。従ってAWM電線を使用する場合はその電気機器等が最終的にUL等の認証を受けることが求められています。

 更に、MTW電線しか使用できないと誤解されているエンジニアもいますが、使用する電線については使用環境に適合した電線であればどのような電線でも使用することが出来ます。ただし、その電線が環境に適合していることを証明する必要がありますので、そのためにUL認証等による検査機関の認定電線ケーブルを使用することになります。

 米国に輸出する機械メーカさんはUL508Aの認証を受けない場合が多いので、AWM電線の使用については注意が必要です。

以上

04/07

いつも北米規格情報を閲覧して下さる電気設計技術者の皆様へ

新年度を迎え、弊社は来る5月より12月までの年内一杯を米国に拠点を移してNFPA79やUL508Aの情報収集の活動等を重点的にすることになりました。この機会を通して更に北米での制御盤の設計製作の動向や実情を皆様方に少しでも正確にお伝えできるものと考えております。

なお、従来から毎週1回の頻度で提供としていました規格情報等は、新年度からは特にご質問の多い内容や興味あることについて、不定期に弊社ブログやHPに掲載したいと考えておりますので、何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

この規格情報は今後も続けて電気設計技術者の皆様方に解り易い情報を提供できるよう努めていきたいと考えておりますので、是非ともご利用下さい。

 なお、従来通りの有料によるご質問等に対する回答報告につきましては、インターネット電話等でも対応させて頂きますので、続けて料金等を含めて一度お気軽にお問合せ下さい。また、実施していました北米規格に関する出張セミナーにつきましては、ご相談にて対応させて頂きます。

以上

03/29

NFPA79による産業用制御盤内に設置の基板への半田接合について

通常、制御盤内に配置した基板への電線接続は端子ブロックのネジ止等による接続が多くを占めており、半田接合の電線接続は多くありません。時々、質問の中に「已むを得ず半田接合をする場合にはどのような対応が必要なのか」との内容がありますが、半田接合する場合にはいくつか注意すべき点がありますのでご確認下さい。

NFPA79 13.1.5項には半田接合を行う場合は「半田接合:Soldered connection」であることが判るように識別表示することが求められています。現状では制御盤内に基板を設置したその端子部が明らかに半田接合を判別できるような接合箇所については識別表示していない場合もありますが、全て識別表示することをお薦めします。

なお、半田接合の方法についてはUL508Aに規定されていますので参照下さい。
特に重要なことは半田接合の前処理であり、基板の端子穴に半田接合する場合は電線を穴に通して90°曲げて半田接合することや、端子に電線を180°以上巻きつけた後に半田接合すること等が規定されていますのでご確認下さい。

以上

03/22

NFPA79による機械装置の付属プラグ・コンセントの設置について

機械装置に組み込まれている機器の交換作業などで取外しの可能性のあるところでは、容易にその機器等の交換ができるような付属のプラグ・コンセント(ソケット)等を使用することが認められています。このような設計をする際に注意するポイントがありますので確認が必要です。

極性のある付属のプラグ・コンセント(ソケット)組合品を使用する際には、機械装置の電源が遮断されていない状態でプラグを引抜く恐れがあります。この引抜いたときに露出したオスピンとの接触による感電の危険が生じないような対応が求められています。

まず、プラグを引抜いたときにオスピン側は充電していないような設計をすることであり、次にオスピン等に充電の可能性のあるときには人体が接触して感電しないような保護(カバー等)構造が求められます。これらのプラグ・コンセント(ソケット)は用途に適合したListed品であることは言うまでもありませんが、20A以上のプラグ・コンセント(ソケット)についてはロック機構のタイプであって、意図せずにプラグが外れない構造とすることが求められます。また、対地電圧300V、あるいは相間電圧300V以上の回路で使用するプラグ・コンセント(ソケット)はその接続や断路のときに発生するアークにも対応した保護スカート等で覆った構造であることが求められています。

また、付属プラグ・コンセント(ソケット)に装置接地(保護ボンディング)回路の接続が含まれ、そのプラグの接地極が接続されるときには他の極よりも先に接続して装置接地(保護ボンディング)回路の構成が完了して回路の安全が確保されることであり、次にプラグが引抜かれて接続を断路されるときには接地極が他の極の断路が完了するまで離れないような接地極の「先入り、遅切り」構造であることが求められています。
ただし、PELV回路や機械装置の搬送の際に組立や分解を容易にするため使用されるプラグ・コネクタ(多極コネクタ)については以上に述べた要求は求められていません。


なお、モータ負荷に使用する付属プラグ・レセプタクル(プラグ/ソケット)組合品が負荷運転時に引抜かれて断路する可能性のある回路には、5.3.3.2項の条件に合致することが求められていますのでご確認ください。

以上

03/15

NFPA79による非接地回路のClass 2回路について

制御回路において、非接地回路には地絡を検出して表示する絶縁モニタか、あるいは回路を自動遮断する開閉器を設置することが求められています。ただし、例外としてNEC 725章に従ってClass 2 回路とする場合にはこの絶縁モニタの設置が要求されていません。

NEC 725章のClass 1, Class 2 及びClass 3のRemort-control, Signaling とPower-limited 回路の適用範囲は機器や装置の内蔵回路でなく、遠隔操作や信号および電流制限される回路と規定されていますので、以下の概要説明を参照下さい。

 Class 1 回路 

過電流保護機器の負荷側あるいは電流制限された電源ユニットとその負荷側に接続された機器との間の配線を含めた回路である。これら電源の電圧や電流制限はNEC725.21に従うこと。

なお、Class1回路で要求される電源は電流制限された1000VAで30V以下の出力定格であるか、あるいは600V以下であってその電源出力の電流制限を要求しない遠隔操作や信号回路であること。

 Class 2 回路 

Class 2タイプの電源ユニット(UL1310)等の負荷側とその負荷側に接続された機器との間の配線を含めた回路である。電流制限されるClass 2回路は火災発生や感電保護の安全に関する観点から考慮されている。

Class 2 回路はClass 2タイプのトランス(UL1585)の二次側から供給されるような制限される電源(30Vrms又はそれ以下)の制御回路でもあり、遠隔制御や信号回路で使用される。

 Class 3 回路

Class 3タイプの電源ユニット(UL1310)等の負荷側とその負荷側に接続された機器との間の配線を含めた回路である。Class 3回路は電流制限をする火災発生の安全に関する観点から考慮されている。Class 2よりも高いレベルの電圧と電流が認められ、遭遇する可能性のある感電保護のためには追加の保護ガードを備える要求がある。

 なお、Class 2回路は温度制御、ドアベル、ドアロック、照明制御、潅水制御、通信関係回路等に多く使用されていますが、Class3回路はClass2回路と異なりより大きい電力を要求される機器の回路に使用されています。例えば、Class3回路は通常のシアターやサウンドシステム等で使用されており、これらの回路は同様に公共の火災警報や安全システムにも使用されています。また、これらの回路は電源ユニットを基本としており、負荷側で発生する短絡電流が規定された最大値を超えないことを求めています。それら各Class回路の最大電圧値と電流値をNEC9章の表11(A)や11(B)に規定されています。

また、Class 2やClass 3回路にはそれぞれに対応のトランス(UL1585)や電源ユニットおよび電線ケーブル(UL13、UL444)等の機材がULよりListed認証されたものがありますが、Class 2、3回路を適用する場合はそれぞれの回路にマーキングや規定された電線最小サイズや配線方法がありますのでNEC725やUL508Aを参照下さい。

以上

03/08

NFPA79による警告標識の表示について

機械装置に存在あるいは生じ得る危険源の有無によっては安全警告標識の表示が求められています。米国の国家規格ANSI Z535によればその主な警告シグナルには危険(DANGER)、警告(WARNING)、注意(CAUTION)等の段階があります。さらにNFPA79-2007版の17.9.3項が追加されてNFPA70E(作業場所での電気安全)規格に従う警告標識をも表示することが求められています。

機械装置等にはその危険の程度に応じた警告標識の表示が求められています。これら警告シグナルとして規定されている“危険”、“警告”、“注意”の標識の選定に際しては以下の定義が使用されています。(以下はANSI Z535.4英文参照下さい)

 “DANGER”表示は「危険を回避できなかった場合、死か重症に至る切迫した危険状態にあることを示し、この警告標識の使用は最も危険な状態に限られる」ことを意味している。

 “WARNING”表示は「危険を回避できなかった場合、潜在的な危険状態のあることを示し、死か重症に至る可能性がある」ことを意味している。

 “CAUTION”表示は「危険を回避できなかった場合、潜在的な危険状態のあることを示し、中・軽症程度に至る可能性があり、またこの表示は同じく不安全な行動に対する警鐘のためにも使用されることがある」ことを意味している。

 機械装置には適切なこれら段階の警告標識を表示する要求と同時に、その電気装置が充電状態にある間に点検や調整等を実施するような作業がある場合、そのメンテナンス・マニュアル等の技術資料を作成する際には適切な作業場所の安全に関するNFPA70Eの規格(Arc-Flash protection boundaryの表示)や労働安全衛生管理(OSHA)29CR P1910.331-335の要求に言及することが求められています。

 NFPA70E等による警告標識の表示については機械装置のユーザー側にその責任があり、装置メーカには直接的な責任がありませんが、装置メーカとしてエンドユーザーが容易に安全警告標識を表示できるような対応が必要と考えます。

以上

03/01

NFPA79による接地された回路の電線識別色について

NFPA79の13.2.3.1項において、交流AC回路での接地した相の電線色は白色または灰色、あるいは緑色、青色、オレンジ色の電線以外の電線色に3本の白色ストライプを入れた電線色とするように規定されています。従って、供給電源のD結線の一点が接地された3相交流回路の場合、および単相電源回路の1線が接地された電線の場合はそれらを識別するために電線色を白色や灰色等の電線とすることが求められています。

時々、3相動力回路の1線に白色の電線を使用している機械装置を見かけることがあります。この白色電線は接地されていることを意味しますので、特に汎用機械装置を設計している場合は外部の電源方式と合わせることが求められ、注意を必要とします。

 従って、特に汎用機械装置において3相の動力回路の3線のうち2線を黒色電線とし、1線が接地を意味する白色電線として使用する場合は取扱説明書等に供給電源方式を指定する必要があります。しかし、このような設計はユーザーに供給電源の条件を求めることでもあり、販売にはあまり適した設計とはいえません。通常、機械装置用に専用の電源トランスを設置するときはD結線として設計する場合がありますが、工場設備から直接電源供給を受けるのであればY結線に対応する装置設計とすることが推奨されます。

 なお、NFPA79の規定により3相Y結線の中性点接地の電線色は緑色あるいは緑色/黄色のストライプ電線と規定されていて、その3相の各相の電線色は黒色が使用されています。ただし、交流3相のコーナー接地をしたD結線の電源から供給される動力回路の接地相の電線色、またはD結線の3相の一相を中性点で接地した接地相の電線色、あるいは単相での接地側電線の電線色は白色や灰色等で識別することが求められています。

以上

02/22

NFPA79による動力回路の電線サイズの選定について

電源送り回路や動力回路で使用される最小電線サイズは14AWG(2.1mm2)と規定されています。ただし、多芯ケーブルや制御盤内で使用されるそれら回路の最小電線サイズは制御回路等の電線サイズを除いて16AWG(1.3mm2)と規定されており、国内で一般的に使用されている電線サイズに比べて細い電線の使用が可能であることがわかります。実際に動力回路等ではこのような電線サイズを使用できるのでしょうか。

電線サイズを決定するには電流容量を低下させる各種補正ファクタを考慮する必要があります。NFPA79では周囲温度による電流値の補正と配線ダクト等に挿入する電線本数の電流減少係数による電流値の補正があります。特に注意することは周囲温度に関して基準周囲温度が30℃となっており、実際は機械装置の使用される周囲温度あるいは設計周囲温度に対応した電流値を表12.5.5(a)に従って補正する必要があります。

 また、電線の温度定格(60℃等)の許容電流値については表12.5.1に規定されており、そこには電線の温度定格60℃と75℃の許容電流値が記載されていますが、この表に記載されてない温度定格90℃の電線の許容電流値については75℃の電線の許容電流値を適用することが規定されています。さらに配線ダクトや電線管内に配線する場合は表12.5.5(b)の電線本数による電流減少係数(補正ファクタ)が考慮されます。

 例として、電線の温度定格(例90℃)による最小の電線サイズ14AWG(周囲30℃:15A)や16AWG(周囲30℃:10A)の電流容量は75℃適用の許容電流値を基準として、周囲温度(例:設計周囲温度:41℃)による補正ファクタ(0.82)と配線ダクト等に挿入の電線本数(例:4本)による電流減少係数(補正ファクタ:0.8)の両方を考慮した電流容量(Ax0.82x0.8)となります。14AWG の電流容量は補正ファクタを考慮すると15Ax0.656=9.84A。

 従って、通常では動力回路の3相0.5HP(10A/460V)負荷について最小電線サイズの14AWGを使用できますが、補正ファクタを考慮すると14AWG(9.84A)ではなく12AWG(3.3mm2)(20Ax0.656=13.12A)を選定することになります。

以上

02/15

NFPA79 によるエンクロージャ内での配線方法について

エンクロージャ内で使用される電線は当然Listed電線を使用することになりますが、同様にその他の配線材や配線ダクトも含めて全てListed認定品を使用すべきことは承知の通りです。ただし、Listed品がないような特殊な機器等については特別な条件下で使用することができますが、この件については別の機会に記載したいと考えています。

配線方法に関わる電気制御機器の配置とアクセス性については時々疑問の残る機械装置を目することがあります。配線方法の原則の一つとして、エンクロージャ内に配置される制御機器等は外部から容易にアクセスでき、他の部品等を外すことなく交換ができ、その接続配線等を妨げることのないような配置が求められていますので注意が必要です。

配線方法でもう一つの重要な原則は電線の支持と固定についてですが、特にエンクロージャ扉等の可動部への配線については12.7章に電線のフレキシブル性を含めた機械的な耐性等のある電線を選定することが求められており、さらに扉等の可動側と固定側の電線は各々で固定されること等が規定されています。従って、エンクロージャ内の配線に際しては原則に従ってアクセス性があり、さらに動かないように結束・支持し、また固定することが求められます。ただし、配線ダクトに収納する電線については結束・支持や固定は求められていません。

 なお、エンクロージャ内に設置される制御機器や計測機器等のListed完成品に付属の電源コードセットやその他のプラグ・ソケット付の専用付属コードセット等の配線についてはその付属コードセットのListedされた環境条件下においてのみ使用できるのであり、その付属コードの仕様を確認する必要があります。同様にそれら付属のコードセットも原則に従った配線方法が求められています。

以上

02/08

NFPA79による配線ダクト内に占める電線の割合について

多くの制御盤は配線ダクト等を設置して電線を隔離して配線する方法が採用されていますが、考慮すべき点があります。まず、第一には配置される配線ダクト等はListed品であることが求められています。第二には以前のHPにも掲載しましたが、配線ダクト内に収納する電線はどのような場合に異なる電圧回路の電線ケーブルを一緒に配線できるかということです。

配線ダクトに異なる電圧回路の電線を一緒に収納できない場合には配線ダクト内を隔離する方法等がありますが、そのために配線ダクト内を絶縁板で隔離することのできる既製品のダクト等が供給されています。配線ダク等の設置について求められている第三には具体的な判断が困難なところもあって厳しく検査されていないこともあり、設計者もその確認を怠っているところがあるため、あまり注目されてはいませんが、配線ダクト等の断面積サイズの規定があります。NFPA79の13.5.2項には配線ダクト等に収納される全ての電線ケーブルの合計断面積が配線ダクトの断面積に占める割合は50%以下と規定されていますのでご確認下さい。制御盤のコンパクト化を追及するために度々、配線ダクトのカバーが閉まりずらい程に電線を収納している配線ダクトを見かけますが、これらの状態が目立つようでしたら充分指摘される可能性がありますので注意が必要です。

以上

02/1

NFPA79による機械装置周りの電線管の支持について

露出ケーブルは通常の使用状態で外傷を受ける恐れの無いように配線するならば機械装置やシステムに沿って、または近接して配線することができます。これらケーブルは垂直以外の方向で305mm毎に支持固定することが求められ、ケーブルが垂直方向の場合は914mm毎に支持固定することが求められています。やむなく電線管の敷設をする場合には別の支持方法が求められていますのでNFPA 79の13.5.3項をご確認下さい。

電線管によって配線する場合には電線管の種類(RMC厚鋼、IMC薄鋼、EMTねじなし管、RNC硬質塩ビ管等)やサイズによって支持方法が異なっています。ただし、鋼製電線管を支持する場合は両端で固定することが求められ、その支持固定金具や継手はその電線管に適合したものを使用することが求められています。

また、RNC電線管を支持する場合にはまず堅固に固定することが原則であり、さらにNFPA79の 表13.5.3.3.2に従い電線管サイズに従って最大支持間隔が規定されていますのでそれに準ずる必要があります。なお、このRNC電線管の両端の支持固定箇所はボックスやエンクロージャ等の接続箇所から少なくとも900mm以内に設けることが求められています。使用できる最小トレードサイズの電線管は16mmで、最大は155mmとなっており、それらの最小曲げ半径等も規定されていますのでご確認下さい。

以上

01/26

NFPA79によるモーター動力回路の電線サイズの選定について

「制御盤内の電線サイズを選定するために合理的な設計をしているでしょうか」。時々、機会ある毎に制御盤に配線する電線サイズについて「どのように電線サイズを決めていますか」と設計担当者に質問することがあります。その答えの中には「従来から社内基準によって決められている」と返ってくることがあります。では、それらの基準はいつ設定されたものなのでしょうか。そして、その基準はどのようにして決められたのでしょうか。このような質問をする理由は特に動力回路について、実際の配線を見て明らかにオーバースペックと思われる電線サイズの使用が制御盤内で多々見られることによります。

機械装置メーカにはNFPA79-2007の改訂版に従いSCCR値の表示義務を含めた使用環境の条件等を製作仕様書に記入する明確な表示が求められています。これらの表示はオーバースペックとならず合理的な設計をするために必要なものであり、さらにコスト削減を追及するために欠くことのできないものとなっています。

 電線サイズの選定に際して、コスト削減を追求する場合、重要な点は例として周囲温度40℃の設計条件下にもかかわらず電線の選定基準を50℃等にするようなオーバースペックを避けることが求められます。「電線サイズは太いに越したことはない」と考えることもありますが、合理的な設計をするにはこの曖昧な電線サイズの選定に踏み込むことが必要となるかもしれません。このためには当然ではありますが機械装置の使用条件等を細部について明確にし、それに対応した設計をすることが求められます。欧米の産業機械装置の電気関係の仕様書や使用条件の表示は国内製機械装置のそれら使用条件等に比べ詳細に記載されていることを多々目にすることがあります。

 電線サイズによるコスト削減の例として、NEMAサイズ1のモーターコントローラー回路の接続電線サイズはNFPA79の表12.5.6項により最大8AWG(8.4mm2)と規定されています。すなわち、負荷10HP:定格14A/460V(約7.4KW)の動力回路では12.6.1項で規定されている最小14AWG(2.01mm2:定格電流15A)から8AWG(50A)までの電線サイズの使用が可能となります。従って、この電線サイズの選定できる範囲内で合理的な設計をすることが可能であり、最小となる電線を選択することができます。そのためにはNFPA79でも規定されている制御盤の周囲温度や配線ダクト内の導体本数等による減衰ファクタを考慮し、その設計条件を明確にして、電線サイズを選定する必要があります。

 参考として、10HP負荷に使用する電線サイズを8AWG (8.36mm2)から10AWG (5.26mm2)、12AWG (3.31mm2)、および14AWG (2.08mm2)等の細い電線サイズに選定できる場合は米国内のMTW電線価格でそれぞれ約40%、60%および80%の電線コストを削減することができます。これは電線コストの削減だけではなく、同時に関連する重量やスペース等の削減などにも影響をもたらします。

従って、経費削減やコストダウン等が求められている現在の情勢において、電線サイズの選定によるコスト削減を少しでも達成するためには電線がオーバースペックになっていないかを今一度、再点検することが求められています。

以上

01/18

NFPA79による機械装置の作業用照明回路について

一般的に照明回路は8.4項に従い回路の一線は必ず接地され、その電線色は13.2項の電線色に従うことが規定されています。接地側の電線色は白色、灰色あるいはその他の色(緑、青、オレンジ色を除く)に白ストライプ3本入りの電線となっており、IECやEN規格とは異なっていますので注意が必要です。

絶縁トランスから電源供給される照明回路は二次側の一線を装置接地(保護ボンディング)回路に接続し、他の非接地側の一線との対地間電圧を150V以下として、その非接地側の回路は最大15Aの過電流保護機器によって照明回路を保護することが求められています。スイッチ付の作業用照明器具は特別に認められたListed品を除いて霧や液体にさらされる場所に設置できず、湿気場所に使用される作業用照明回路は地絡保護機器(GFCI)を備えることが求められています。なお、機械装置の内部で使用される作業照明器具への電線はMTWタイプであることが求められています。

以上

2009年01/12

NFPA79によるソレノイドバルブの配置場所について

11.2.2.1.項により機械内部のコンパートメント内に取付けの電気制御機器は冷却機器やオイル循環タンクと隔離して設置し、混在させて配置することがでず、同時にそれらパイプラインやチューブライン等からも完全に隔離することが求められています。さらに電気制御機器のコンパートメントは密閉されていて、メンテナンス等のため容易に接近できる場所に配置するように求められています。

特に産業機械で多く使用されているAirパイプライン等をコントロールするソレノイドバルブについても、11.2.2項により「制御機器(ソレノイドバルブ等)とAirや流体等を扱うパイプラインやチューブラインは電気制御機器と同じエンクロージャやコンパートメント内に配置しないこと」と規定されています。

ただし、例外規定によって、電子機器の冷却装置を設置する場合、およびListed (UL認定等) 機器・装置に内蔵するパイプラインと機器であって、そのListed機器(エンクロージャ用の冷却ユニット等)がエンクロージャ内で隔離されて設置する場合には認められています。

従って、同じエンクロージャ内に電気制御機器とソレノイドバルブやパイプラインを収納する場合は可能な限りそれらをまとめて配置して、電気制御機器とソレノイドバルブやパイプライン等を完全に隔離することが求められます。機械内部のコンパートメントやスペースに電気制御機器やソレノイドバルブを各場所に散在させて取付ける場合にはパイプラインが電気制御機器と一緒のスペースに配置されないように注意する必要があります。その他、エンクロージャ内にソレノイドバルブを配置する場合には、そのエンクロージャの底部には湿気や水滴等を排出するための6.4ミリ(1/4インチ)のドレン穴をあけることが求められています。

以上


12/14

NFPA79によるEmergency STOPとEmergency OFFの併用について

以前にも記載しましたが、Emergency STOP と Emergency OFFの併用について度々、問い合せがありますので再度確認いたします。NFPA79によりこの非常停止機器の設置に際しては機械装置のリスクアセスメントによる評価が求められ、この評価なくして非常停止機器の設置をすることが出来ません。

機械装置の非常停止に関しては停止カテゴリ0の即停止の他にコントロールされた停止カテゴリ1と2の停止を要求するものがあります。これらの非常停止機器は Emergency STOP の表示を使用することになり、マッシュルームタイプ等で強制解離機構の接点(Positive opening contacts)の非常停止押しボタンスイッチ等が要求されています。

他方、感電等に対応すべく緊急の非常停止に関しては停止カテゴリ0の電源遮断を要求しています。この場合の非常停止機器はEmergency OFF (又はEMO)の表示を使用することになります。これら非常停止の使い分けはリスクアセスメントによって評価されますが、ときには停止カテゴリ1または停止カテゴリ2のコントロールされた停止に対応するEmergency STOP の使用と、同時に感電時等の緊急遮断に対応すべき Emergency OFF の使用が求められる場合があります。従って、このような場合は Emergency STOP と Emergency OFF (EMO)の非常停止機器の両方を同じ操作パネル上に設置して併用することがあります。

以上


12/07

幕張でのSEMICONジャパン2008に参加して

先日、4日間に渡って千葉の幕張で開催されたSEMICONジャパン2008に参加し、EHS委員会とセミナーに出席する機会がありました。また、各社の出展品を視る機会もあって大変興味深い経験をしましたので、一部その感想を述べたいと思います。特に、電気装置の設計者の立場からと、またNFPA79会員の立場からも、SEMI規格の委員会に出席して活動状況や運営方法等を少しでも知ることのできたことは、今後のNFPA79やSEMI規格の安全規格の整合性の動向を知る上でも大きな助けとなります。

また、展示会の各社ブースでの展示品の説明方法について感じたことは、現在の景気が影響する理由によるものなのか、大企業の中でも実機サンプル製品の展示ではなく製品写真のパネルボードのみによる説明やモニター画面を利用した製品の説明が目に止まったことです。また、あるブースではその周囲を高い仕切り壁で囲んで外部から自由に製品を観ることのできないようにした会社もあり、これも情報問題に関する時代の流れなのか、我々のような新製品の技術に興味をもつ者にとっては容易でない時代がきていると感じたところです。このような半閉鎖形と言うべきか、このような展示タイプは出展者にとって製品に興味のある顧客だけに絞ることができて有効な方法と考えますが、将来多くの出展メーカがこのような手法を採った際には展示会が社名の壁が立ち並ぶ迷路になってしまうのでは・・・・と心配するところです。

電気制御盤の設計者およびNFPA79会員の立場から、各社製品の制御盤に装備される非常停止スイッチの取付状態やコントロール操作機器の取付位置等を視て廻わった感想として、国際展示会と言われながらも国際規格の安全への対応に疑問の残るような制御盤がちらほらあることに気になった次第です。北米の国家規格ANSI/NFPA79規格によると展示会の展示品については規格の適用外となるため問題にはならいのですが・・・・。特に非常停止スイッチの使い方については”Emergency Stop”、”Emergency OFF” および “EMO”の使い方等が充分に理解されていないようでもありました。

非常停止スイッチの使い方を視ることで、そのメーカの電気技術者の安全規格への理解度を推察することができ、国内メーカの中には国内向け製品を転用して展示した理由もあると思いますが、一つの問題点として非常停止スイッチの赤/黄色の色識別が為されていない装置を目にすることも多々ありました。なお、この非常停止スイッチの使用方法等について情報の提供をご希望の方には対応させて頂きますので弊社までお問わせ下さい。

最後に今回のSEMI規格のSTEP/S2-0706セミナーにて、このSEMI規格は業界団体によるものであって、それに適合することへの要求はありますが、製品の安全規格は使用される国の法律や国家規格に従うことが優先されるべきとも解説されていました。北米で装置を使用するためにはOSHAやANSI/NFPA79規格等に従う必要があります。何故なら、北米での現地検査官(AHJ)による検査はNFPA70やNFPA79等によって実施されるからです。なお、AHJの中にはNFPA79規格のCEU単位をとるためにNFPA79のセミナーに参加する者は多数いますが、SEMI規格のセミナーに参加している者はまだ少ないようです。SEMI規格が国家規格や国際規格としても認知されるためには更なるSEMI規格普及の努力が求められものとSEMICONジャパン2008に参加して感じた次第です。

以上

11/30

NFPA79によるポジション・センサー等の配置場所について

NFPA79の10.1.2項によりリミット・スイッチ等の位置検出スイッチの取付に際しては被検出構造部がスイッチ部での行き過ぎによってそのリミット・スイッチに損傷を与えることのないよう設計・配置することが求められています。

特に安全に関する保護ガードや扉に使用するリミット・スイッチ等の位置検出機器は強制開離機構(direct opening operation)を備え、あるいはこれと同等に信頼性のあるものが求められています。

ただし、これらの取付については取付や交換が容易な場所であり、また生産材の取り外しや取り付け等の生産工程の作業時に可能な限り損傷を受ける可能性の少ない場所に取付けることが求められています。

以上

11/24

NFPA79によるイナーブル制御について

イナーブル機器を装備した機械でイナーブル制御が有効であるとき、別のスタート制御機器(携帯の教示用ペンダント等)による機械の運転が許される。 このイナーブル制御が無効となったときは機械を停止させて、機械の起動を防止するものである。イナーブル機器は一つの操作位置でのみ機械の運転を開始させ、それ以外の位置では運転を停止させるものであり、停止カテゴリー0と停止カテゴリー1回路で使用される。

このイナーブル機器は人間工学による機器の操作性を考慮し、2位置と3位置タイプがある。特に、3位置タイプの握り操作によるイナーブル機器は一位置と三位置は機械を停止させる位置であり、一位置から握り込んで二位置へ達したときに機械は運転を開始し、二位置を越えて握り込んで三位置に至る操作で機械の運転が停止する。また、この3位置タイプのイナーブル機器は三位置や他のあらゆる位置から握っている手を離した場合でも一位置に自動的に戻り機械の運転は停止する。

従って、このイナーブル機器は運転員が携帯の教示用ペンダントステーション等を持って操作するような、危険な状況の中で作業をすることを意図される機械に使用することが求められます。

以上

11/16

NFPA79による電源開閉器等の配置場所について

電源開閉器等は制御回路を含む機械のすべての電気回路を電源回路から遮断(断路)することが求められています。 据付のプラグ/コンセントを除くすべての電源開閉器は制御盤エンクロ-ジャの内部またはそのエンクロージャの盤外に隣接して配置することが求められています。ただし、条件によっては電源開閉器の設置が求められない場合、あるいは制御盤エンクロージャから離れた場所に配置することが認められる場合があります。

電源開閉の定格が2HP以下であり、容易に電源開閉器にアクセスでき、運転員から見えるところに配置される場合には制御盤エンクロージャから6m(20ft)以下の範囲内に取付けることが認められています。また、電源開閉器を装備しない場合には外部に設置すべき保護機器等のタイプと定格を制御盤エンクロージャ盤面に明確に表示することが求められます。

以上

11/10

NFPA79による配線ダクト内の配線方法について

配線ダクト内に電線ケーブルを配線する場合にはNFPA79に従って考慮すべきことがあります。特に、異なる回路の動力、制御、通信等の電線や多芯ケーブルを同じダクト内に配線するとき、回路の電圧レベルによってはバリヤ等で隔離することが求められます。

異なる回路の電線ケーブルが配線ダクト内に混在し、それらの回路の電圧が異なるときは、混在する電線ケーブルの電圧レベルが最も高い電圧回路に使用される電圧レベルと同じであることが求められます。

例えば、動力回路に使用される600V定格電圧の電線ケーブルを配線している場合は制御回路や通信回路等の300V定格電圧の電線ケーブルを混在させることができません。ただし、異なる電圧レベルの電線ケーブル間に絶縁バリヤ等を設置して隔離することで同じ配線ダクト内に配線することができます。なお、PELV回路の電線ケーブルは例外なく他の回路の電線と隔離することが求められます。

 例外として、動力回路や通信回路が一緒に組み込まれた多用途多芯ケーブルの場合はケーブル内の電圧レベルや電線特性に違いがあっても、表示された用途で設計、試験された製品を使用することができます。

以上

11/04

NFPA79による耐電圧試験

機械装置の耐圧試験は交流で0Vから1500Vに、また直流で2121Vへ徐々に昇圧して、充電線回路と装置接地(保護ボンディング)回路の間に最大電圧を1分間以上印加するものであり、その試験結果としていずれの損傷等のないことが求められています。

この試験電圧は500VA以上の絶縁された電源から供給されること。なお機器の定格電圧が試験電圧に対応できない電子機器等は試験回路から試験中に断路される。
なお、動力回路の対地間の絶縁抵抗値は500VDC絶縁抵抗測定器で1メグオーム以上が求められます。

以上















































































































































 
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