リスクアセスメント規格情報

■ 制御回路部の要求パーホーマンスレベルPLr等に対応する設計方法について。

欧米での産業用機械はEN/ISO 12100-2010(欧州)およびANSI B11.0-2011(米国)に従ってリスクアセスメントされ、危険源が同定され、そのリスク低減を3(スリー)ステップで実施して、その機械の安全が最低限保たれるように設計製造されることが求められています。なお、この場合の電気制御システムについて、特に安全機能に関連する機器を含む電気制御システム、たとえばインターロック保護ガード回路や非常停止回路、自動再起動の防止回路、両手操作回路あるいは安全速度に減速するような安全に関わる回路(安全関連部/制御システム;SRP/CS)等についてはEN/ISO 13849-1(機械安全:制御システムの安全関連部)およびANSI B11.TR6(米国)等に従った設計をしてリスク低減することが求められています。

 

このEN/ISO 13849-1は安全機能に関連する機器を含む電気回路等の制御システム(SRP/CS)に於いてもリスク低減を実施して、リスクグラフ(他、リスクマトリックス等)の手順に従って決定される最低限要求のパーホーマンスレベル(要求PLr)が求められています。この機械の完成後に算出される安全関連部SRP/CSの最終パーホーマンスレベルPLが最初に決定した要求PLrと等しいか、あるいはそれ以上とするために、SRP/CSの構成部品の選定やその回路の冗長化等の方策によって対応することを求められます。

 

更に、この安全に関する最終的なSRP/CSのPLが実際に要求PLrに等しいか、それ以上であるかの妥当性を機械装置メーカは2013年4月1日より施行された最新のEN/ISO 13849-2:2012(機会安全:制御システムの安全関連部、妥当性について)により確認する必要があり、またその実施記録を残す必要があります。これは新たに欧州33カ国向けに輸出する機械について求められますので注意してください。同様に米国での要求されているANSI B11.0-2010は2012年7月より施行されています。

 

この妥当性の記録作成はSRP/CSの設計者によるだけではなくその関係者(第三者認証機関を必要としているものではなく、たとえばユーザー、品質管理部やコンサルタント等)のチームによって妥当性評価すべきものと規定しています。すなわち、SRP/CSの設計担当者以外による妥当性評価(ENISO 13849-2:2012、ANSI B11.0-2010による)が求められ、その実施記録の保管をも要求されています。

 

以上