制御回路で使用するコンセント回路にはGFCIの設置が必要か?

制御回路の盤内に設置するコンセント回路についてはその回路の過電流保護機器の定格電流値とそのコンセントを使用する機器の用途をコンセントの近傍に表示するだけで対応できると判断されていることが多いようですが注意が必要です。

NFPA79-2015版のハンドブックにはAccessoriesについて定義されており、それは機械装置のメンテナンスや検査、較正、修理等に要求されるアイテム機器等であり、機械の実行運転機能には要求されていないものであると解説されています。

従がって、通常使用される制御盤内に配置されるコンセント回路はaccessory equipmentに使用されるものであり、15.1.2項に規定されているMaintenance Personnel( 保守要員用途)のコンセントとなっています。この場合のコンセント回路にはこの規定により例外なくGFCIの設置が求められています。

 

UL508A 40.3.5項には

「制御回路に設けられる一般仕様のコンセント回路はその定格を超えない過電流保護機器を備え、プログラミングと診断機器の使用に制限されており、さらに59.3項に従った表示をすること」と規定されています。

その59.3項には制御回路にコンセントを設ける場合、前述したようにその制御回路のコンセントにはその過電流保護機器の定格電流値とコンセントの用途を表示する規定でああって、GFCIの設置の要求の有無については何も言及していません。この規定がGFCIを設置しなくても良いような印象を与えているようです。

唯一、UL508Aでは以下の28.6.6項に従ってGFCIの設置を規定しています。

即ち、「UL943のGFCI規格の要求に従うClass A(5mmA感度)タイプ のGFCIの保護機器はType 3R、3RX(屋外用途の)エンクロージヤ、 あるいは屋外用途以外のエンクロージャの産業用制御盤で使用される全ての単相120V、15-20Aコンセント回路に備えること。」と規定されていますので注意して下さい。

結果として、制御回路にコンセント回路を設ける時は過電流保護機器の他に5mmA感度のUL943認定のGFCIを追加して、コンセントの近傍にはその過電流保護機器定格(例;1P AC125V 15A)と使用する機器の名称(例;プログラミング機器用途等)を表示することになります。 

なお、盤面に設置するコンセントに関しては15.1.1項(1)によりGFCIの設置と共に、更に外部周囲環境に応じたコンセント保護カバーの設置が要求されていますので注意して下さい。

以上

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