電源供給電線ケーブルの制御盤への接続法と除外回路の対応について

主電源開閉器(ブレーカ)の配置を考慮する際にエンクロージャの下部から電源供給電線ケーブルを引き込むときには多々注意することがあり、また主電源開閉器を配置することによって生じる除外回路の識別や警告表示の方法にも多々要求される規定がありますので注意して下さい。

 

電源供給電線ケーブルの接続について

機械装置の主電源開閉器(ブレーカ等)に接続する電源供給電線ケーブルは他の内部配線と隔離することが求められています。(NFPA79 5.1.6項)電源供給電線ケーブルの主電源開閉器への接続は5.1.5項に従い表NFPA70 430.10(B)で要求される電線サイズに応じた最小配線処理スペースを考慮して、可能な限りエンクロージャの上部に主電源開閉器を配置することが求められています。それ以外のエンクロージャ内に主電源開閉器を配置するときにはバリヤ等によって内部配線から電源供給電線ケーブルを隔離する対応とともに最小配線処理スペースが要求されています。(NFPA79 5.1.6項)

 また、主電源開閉器がOFF位置にあるとき、電源側の回路の全ての露出充電部(電源供給端子台を含む)は絶縁あるいは遮蔽によって意図しない接触から保護できるように対処(工具を使用して外すことのできる電源供給端子台や主電源開閉器の端子保護カバー等)することが求められています。(NFPA79 5.1.7項)

 

除外回路の色識別について

除外回路( excepted circuit ) とは主電源開閉器がOFF位置にあっても充電されている回路(除外回路NFPA79 5.3.5.1項参照)と規定されており、その非接地側電線はオレンジ色とすることが求められています。(NFPA79 13.2.4.1項)

ただし、購入された個々のListed機器装置の内部配線の電線色について、あるいは高耐熱性あるいは耐化学特性等の特殊な絶縁電線であってオレンジ色が供給されていない電線色については例外として要求されていません。

この除外回路の色識別については電線の全体に渡ってオレンジ色の絶縁電線とするか、あるいは色識別されたマーキング(オレンジ色の絶縁チューブ等の使用)によって色識別することが可能となっています。(NFPA79 13.2.4.2項)

 

除外回路の警告表示について

主電源開閉器の外部操作ハンドルの近傍には警告表示(主電源開閉器はOFF位置にあるとき、全ての露出充電部は遮断されていない;Main circuit breaker does not de-energize all exposed live parts when it is in the OFF position. )をすることと、また機械装置の取説や回路図等にこの除外回路の存在について明記することが求められており、更に盤内の除外回路を開閉する保護機器の近傍には固定されて動かない箇所(配線ダクトのカバーは不適)に警告表示をするか、あるいは除外回路の電線をオレンジ色として色識別することが求められています。(NFPA79 5.3.5.4項)  以上。