制御回路の絶縁不良の監視と遮断の為に要求される制御回路の接地について(再確認)

NFPA79 8.3項には機械装置の誤作動を防止するために制御回路の設計に関して重要な要求があり、その意味を充分に理解する必要があります。

 再度、制御回路の接地の必要性を確認させて頂きます。

制御回路の接地はノイズ等の影響を避けるために接地、あるいは非接地とするのではなく機械装置の誤作動を防止し安全運転を維持するために重要なポイントとなっていることです。

制御回路は接地回路あるいは非接地回路とすることが可能ですが、特に制御回路をDC回路とした場合は通常DC電源ユニットのマイナス極端子を装置接地回路に接続して接地することが規定されています。 しかし、NPNタイプのセンサー等を使用することで電源ユニットのマイナス極端子を接地できないような場合には非接地回路となるため8.3.2項の規定により絶縁監視モニターの設置が求められていますので注意して下さい。

 

誤作動を防ぐために制御回路を接地する場合の注意点;

補助リレー等の制御機器コイルのコモン側は制御電源トランスあるいはDC電源ユニットの二次側端子で確実に接地された接地側回路であって、そのコモン側回路には何れの制御機器等の接点を挿入することが禁じられています。ただし、サーマルリレーの接点のみは挿入が可能となっていますが、このサーマルの接点は盤外に配線されないことが条件となっています。

 

誤作動を防ぐために制御回路を接地せずに非接地回路とする場合;

非接地回路の絶縁不良を常時監視して、異常のときに警報表示あるいは自動遮断するための絶縁監視モニターの設置が要求されています。ただし、この制御回路は2極の過電流保護機器(サーキットプロテクタ等)で過電流を保護する必要がありますので注意して下さい。Class 2回路については装置接地回路への接続は要求されていません。

 

追記:

絶縁監視モニターは国内品では入手が困難ですが、国内でイートン社製品を容易に入手することが可能です。

 

ご通知:

来る10月7日(金)10:00AM から東京にてNFPA79-2015版の解説セミナーを開催します。

この機会に是非ともご参加ください。詳細は弊社HP「お知らせ」を閲覧ください。

以上