制御盤の付属プラグソケットによる電源引込み時の扉インターロックについて

最近、小形産業用機械の制御盤に関して米国の某工場からプラグソケットによる電源引込みに関して質問がありましたので、再度確認を致します。

 

産業用機械の制御盤の主電源ブレーカ等はNFPA79 5.3.1.1項により、各機械や複数の機械等へ電源供給するために原則必ず設けることが求められています。この理由の一つとしては、工場設備と機械装置との責任分界点を確認するためNFPA79 1.1.1項及びNECに規定されています。ちなみにその責任分界点とは主電源ブレーカ等の電源側端子部となっていますが、最終的には現地AHJの判断が優先されます。

 

 従がって、主電源開閉器等が設置された場合には、NFPA79 5.3.1.4項により外部操作ハンドルが求められ制御盤の扉やカバーと機械的あるいは電気的インターロックを採り、またその解除機能を有することが規定されています。この外部操作ハンドルは操作床上2m以下0.6m以上であり、体勢にストレスなく容易にアクセスできる位置にあって、扉が開放された場合でも容易に工具無しで操作でき、またOFF位置にて施錠できる内部操作ハンドルの機能が求められています。

 

 なお、小形産業用機械の制御盤の主電源開閉器として付属プラグソケットを使用する場合にはNFPA79 5.3.1.4項の例外規定により、先の外部操作ハンドルによる扉インターロック機構の要求はなく、制御盤の扉に施錠することで有資格者のアクセスが認められています。ただし、NFPA79 5.3.3.1項により、この付属プラグソケットは負荷開閉容量を有し、また接地極が先入り、遅切りの機能を有し、定格20Aを超えるものについてはアクシデント引き抜き防止のロック機能を有して、更に運転中に要求される保護構造(NEMA TYPE)に適合することが求められています。この場合、NFPA79 16.2.5項により警告表示「Power shall be disconnected from the equipment before the enclosure is open」が求められますのでご注意ください。なお、制御盤側のソケットはINLETタイプとなります。

以上