NFPA79-2021版解説_絶縁監視モニター設置要求について(追加)

NFPA79-2018版 8.3.2項により非接地回路にはClass2回路を除いて絶縁監視モニタを設置することが規定されていました。 すなわち、Class2*回路においては絶縁監視モニタの設置は必要がありませんでした。

NFPA 79 2021版では9.4.2.1項の追加の例外規定に従い原則はClass2回路でも絶縁監視モニタの使用が義務付けられました。

ただし、非接地回路の地絡事象(接点間の短絡等)が意図しない起動や危険な動きを生じさせず、あるいは機械の停止を妨げず機械の損傷や、 人的損傷を生じさせない限りにおいては絶縁監視モニタの設置は必要ないと追加規定されています。

9.4項 機械装置は全てリスクアセスメントを実施し、安全関連回路については9.4.1項に従いリスク低減を実施し、 要求されるパーフォーマンスレベルPLを備えた制御回路とすることが求められています。

従って、たとえ非接地回路が Class2回路 なので絶縁監視モニタを設置しないと決定したとしてもリスクアセスメントの実施は必須であり、 特に非常停止機能等を含む安全関連回路に該当する制御回路であるならば絶縁監視モニタの設置は必要となります。

安全関連回路に該当しない制御回路には換気ファン回路、メンテナンス照明回路等の人的傷害や機械の損傷を起こす危険性の少ない制御回路が想定されています。 すなわち、この規格の改訂目的は非接地回路であっても原則、絶縁監視モニタの設置を要求し、PLに適合した設計をすることが求められています。

*Class2回路とは使用する電源電圧が例えば24Vの場合、定格銘板が100VAmaxのトランスまたは電源ユニットとなっています。(NFPA70 725項参照)