北米規格に対応するにはFLCとFLAの違いを知る必要があります。

規格に対応した電気回路設計は、最初に負荷機器・モーター等が選定されることによって開始されます。即ち、その各負荷機器・モーターの定格によって保護機器の定格値や電線サイズ等が算出されて、それに適合する機器等が選定されることになります。そこで重要な点は算出の基準となる電流値が問題となります。 FLC (full load current)を適用するのか、あるいはFLA (Full load Ampere)を適用するのでしょうか。それともどちらでも構わないのでしょうか。

このFLCあるいはFLAの使い方によって北米規格を知っているか、あるいは知らないかを確認することができます。すなわちFLA (Full load Ampere)はモーター本体の定格銘版に記載されている全負荷電流値ですが、FLC (full load current)はNEC 430章に記載されているモーターの全負荷電流値となっています。即ち、モーター回路に関わる機器の定格電流値や電線サイズを選定するためにはFLCを基準とした計算で設計することが決まりとなっていますので注意して下さい。なお、制御盤の定格銘版に記載が要求されている全負荷電流値の表示はFLCとなっています。

FLAの使用についてはモーターの過負荷保護のためのサーマルリレーの設定値としての電流値、およびFLCで対応できない特殊なモーター負荷のFLA電流値による電線サイズや機器の選定基準に使用され、また、制御盤の定格銘版に要求されている最大モーターや機器の定格電流値の表示については全負荷電流値FLAが使用されますので注意が必要です。

以上