米国向けNFPA79に対応のClass 2 回路の設計に注意 !!

欧米での制御回路は原則AC, DC 回路共に誤作動のリスクを低減するためAC 回路 0V, DC 回路 マイナス側を接地する方式が採用されています。このために国内向け制御回路の設計をそのまま採用すると特にPLCのI/O回路で問題が生じることになります。即ち、特にPLCの出力回路がNPNタイプの場合、あるいは出力回路センサーがNPNタイプの場合にはマイナス極を接地できないことです。

このためNFPA79-2015版8.3.2項では、これらの制御回路を非接地回路として絶縁監視モニターを設置し、絶縁劣化等による地絡を監視することで対応できると規定しています。ただし、これには例外が設けられ、Class 2回路とする場合には絶縁監視モニターの設置を要求していません。

この例外規定を適用しClass 2回路として対処することが多々ありますが、そのためには条件があり、NFPA70 の725章に従うことが求められますので注意が必要です。このNFPA70の725章には使用する機器と配線方法等が規定されており、それらの条件に従う必要があります。更にUL認証機関によるUL508A認証を受けるのであれば、そのclass 2回路の規定にも従う必要があります。

 

以下のClass 2回路とするための主な要求事項を記載しますので参照ください。

1.  電源の要求。NFPA70 725.121 (A)項、UL508A 44.1項

Class 2 タイプのトランスUL5085-1、UL5085-3認証の制御トランスを使用すること。

Class 2タイプのDC電源ユニットUL1310認証のDC電源を使用すること。

2.  Class 2回路の配線方法 (NFPA70 725.136-143項参照)

動力回路や制御回路(Class 1)等から隔離し、同じダクトやエンクロージャ内等で一緒にしないこと。ただし、バリヤ等で隔離する場合は他の配線回路から6mm 隔離するべき要求が適用されません。

3. UL508A の37.5項

Class 2回路の外部接続端子台や配線は28.4.1項、28.4.2項(電線の隔離6.4mmの要求、またはバリヤによる隔離の要求等を規定)に従うこと。

4. UL508A の44.2.2項

Class 2回路は29.5項(回路は隔離あるいはバリヤで隔離等)及び38.1項(UL13, UL444認証電線ケーブルの使用等)に従うこと。

5. UL508Aの 66.3.2項

絶縁監視モニター等を使用する場合はClass 2回路としなくても良い。

以上